こんにちは 理学療法士の小幡です。
先日、院内にて勉強会がありましたので、まとめていきたいと思います。
テーマは「肘離断性骨軟骨炎の病態」でした
☆小学生の野球検診からみた場合
○好発年齢
・12~17歳
・初期11歳、進行期13歳、終末期14歳にそれぞれピークがある
○発生頻度
対象:徳島県の10~12歳の野球選手1040名
超音波検査の結果:33名(3.2%)に肘離断性骨軟骨炎の疑い
X線検査の結果:33名中22名(2.1%)に障害を確認
※22名中90.9%が初期症状であった
※22名中31.8%に肘関節痛の既往無し
※疼痛既往のある選手も大半は内側部痛であった
○検診で障害を発見された選手の年齢とポジション
・年齢やポジションで発生頻度に差はない
○内的要因の関与を示唆する症例
・両側罹患例では、小頭骨端核の局所的な血流障害が
病因に関与していると示唆
・兄弟発生例では、遺伝的な要因も考慮される
☆中学・高校生の野球検診からみた場合
○発生頻度
対象:京都府の中学生1307名、高校生662名、
平均14.5歳
・上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(小頭OCD)を82名(3.4%)に認めた
○小頭OCD群と非小頭OCD群の比較
・守備位置別での検討
→有意な違いは認められなかった
・肘の疼痛と小頭OCDの関係
→小頭OCD群:現在の肘痛が32.9%、過去の肘痛が81.7%
非小頭OCD群:現在の肘痛が16.5%、過去の肘痛56.1%
現在も過去も小頭OCD群の肘痛の割合の方が有意に高かった
・年齢的な検討
→骨成熟後に野球を開始した方が、小頭OCDを罹患する可能性が
低くなることを示唆していると思われる
○中学・高校生の小頭OCD病変の特徴
・Stage別の頻度
StageⅠ(Radiolucent:透亮期):14.7%、13.2歳
StageⅡ(Fragmentation:分離期):38.2%、13.9歳
StageⅢ(Loose body:遊離体期):13.2%、16.2歳
StageⅣ(Residual:遺残期):13.2%、16.4歳
StageⅤ(Postoperative:術後期):23.5%、15.4歳(手術時14.1歳)
参考文献:整形・災害外科58:991-997,2015
:整形・災害外科58:999-1005,2015