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院内勉強会「首下り症候群(DHS)の病態と治療」

理学療法士(PT)の後藤です.
今回、「首下り症候群(DHS)の病態と治療」について学んだため報告します.

DHS(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis)とは何か?

DHSは、「Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis」の略で、特発性の骨化性軟部組織疾患の一つです。具体的には、首の後ろの骨(頚椎と胸椎)に異常な骨化が生じ、これが前方注視障害や摂食障害を引き起こすことがあります。これは、骨が異常に成長し、周囲の組織に圧迫をかけることが原因です。


 DHSの治療オプション

DHSの治療には、以下のオプションがあります:

  • 保存療法: まず、保存療法が試みられます。これには薬物療法、特定の体位の維持、理学療法が含まれます。症状の軽減や姿勢の改善を目指します。

  • 薬物療法: 炎症や痛みを軽減するために、医師が特定の薬物を処方することがあります。

  • 装具療法: 特定の装具やサポートが、正しい姿勢を保つのに役立つ場合があります。

手術治療の考慮事項

手術治療は、症状が非常に重度で保存療法が効果的でない場合に考慮されます。しかし、手術はリスクを伴うため、慎重な評価が必要です。手術治療には以下の要因が考慮されます:

  • 手術の適応: 手術は前方注視障害や摂食障害など、重度の症状がある場合に検討されます。

  • 手術の種類: 手術方法は、患者の具体的な症状と原因に応じて決定されます。後方アプローチや固定範囲の決定が重要です。


 治療における身体機能因子と筋力

治療戦略において、身体機能因子と筋力の役割も考慮されます。具体的には、次の点が重要です:

  • 歩行能力: DHSの進行により歩行能力が低下することがあります。患者の歩行速度や歩幅が評価されます。

  • 筋力: 頚部筋力、体幹筋力、下肢筋力は、病気の進行や症状に影響を与える可能性があります。

まとめ

DHSは複雑な疾患であり、適切な治療戦略が必要です。保存療法が最初のアプローチであり、手術治療は最後の手段として検討されます。身体機能や筋力の側面も治療に影響を与えることがあり、医師の指導のもとで適切な治療法を選択しましょう。症状の軽減とQOL(生活の質)向上を目指して、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

当院では、このような勉強会を定期的に実施しております。今後も患者様のために研鑽していきます。今後の投稿も楽しみにしていてください。