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日本整形外科学会雑誌  2016 4月号 教育研修講座

昨年の整形外科学会で聴講した講座ですが4月の雑誌に論文でまとめて掲載してありました。

「骨・軟部腫瘍のピットフォール」-腫瘍が怖くなくなるために-          講師   生越 章先生

 

腫瘍専門医以外の外科系の医師が日常診療で腫瘍を診る場合、まず良く遭遇する腫瘤の臨床的特徴をマスターしておく事が必要である。

それ以外の腫瘤の場合専門施設へ紹介するというスタンスが望ましい。よくある腫瘤はその数が限られている。 以下良く遭遇する腫瘤とその特徴を列記する。

①ガングリオン

・可動性のある腫瘤 

・MR:T2very  high (造影効果なし)

・穿刺してゼリー状の内容が引けて腫瘤がしぼめば診断確定

・MR画像上は造影しなければ粘液性の腫瘍と酷似する場合あり

・ゼリーが引けない場合や腫瘤がしぼまなければ造影MRを行う

・USでは低エコー、後方増強あり。USは穿刺に有効  ちなみにUSのパワードプラ画像で軟部腫瘍の血行動態を診ると悪性の場合、腫瘍の内部・周辺に豊富な血行を認める事が多い。

②粉瘤(アテローム)

・弾性硬で一部皮膚と癒着し可動性は少ない

・T1iso,  T2very high(均一) 造影効果なし

・US:不均一に低エコー、後方増強あり

・大きければまれに悪性化する。

・径2センチ以下、皮膚と癒着、周囲に重要組織なしの条件がそろえば切除生検可

・2センチ以上であれば造影MR

・腫瘤が肉眼的にアテロームでも病理検査が望ましい。

③脂肪腫

・可動性良好で柔らかいが、触診のみでの診断は決して出来ない。

・MR:皮下脂肪と同信号(T1high,  T2high, 均一 )

・5センチ以上では悪性の可能性あり

・臨床的、画像的、組織的に悪性との鑑別が難しい場合もあり

④血管腫

・やわらかく痛みが時々あり。皮下に存在すれば押すとへこむが、深部だと腫瘤が柔らかいため触れない場合がある。境界不鮮明

・単純レントゲン:静脈石(3分の一の症例)

・MR:T1画像で高信号の部分あり・・腫瘍内に脂肪成分が存在するため。同部はもちろんT2画像も高信号 境界不鮮明なことが多い

・動静脈奇形:MRにてT1・T2共に低信号 時々痛みあり レントゲンで静脈石を認める事あり

・原因不明の軟部の痛みの原因は血管性の腫瘍である可能性がある。

⑤神経鞘腫

・チネルサイン+

・MR:T2画像にて同心円状の高信号(ターゲットサイン)を3分の1で認める。

・皮下であればUSが有効

⑥腱鞘巨細胞腫(色素性絨毛性滑膜炎)

・手足、関節近傍に生じる。

・放置すると指神経、骨内、関節内にびまん性に増殖する場合あり。

・腫瘍内にヘモジデリン成分を含むため、MRにてT1/T2画像共に低信号の部分が存在する。

⑦結節性菌膜炎

・若年成人・小児に発生する。

・部位は前腕・頭頸部に後発し、圧痛・自発痛を伴う

・数日から数週間で急速に増大し、自然消滅することも多い。

・MR:非特異的な炎症像

 

 

 

 

 

日本リウマチ学会学術総会アニュアルレクチャー

4月24日に東京での研修会に行ってきました。

「関節リウマチ診療における感染症のマネージメント」 

 講師 天野 宏一先生

・RAにおいて生物学的製剤後の主要感染症の発生頻度  肺炎1~2%  結核0.08%~0.28%  ニューモシチス肺炎0.1~0.44%

・抗酸菌感染症  結核(アメリカの4~5倍) 非結核性抗酸菌症(NTM)

・結核に感染後も90%は生涯発症しない。 宿主が免疫抑制状態になる発症する。 MTX、生物製剤、ステロイドの使用などがリスクになる

 とくに結核感染発症の防御にはTNFαが機能しておりこれが抑制されると結核菌の脱抑制が起こる。

・潜在性結核患者にはRA生物製剤3週間以上前よりイソニアジド(INH)の内服を4行う(6~9ヶ月)

・結核に関しては治療前に検査が必須(インターフェロンーγ遊離試験、胸部X線かできればCT)

・NTMには有効な治療がない

・ニューモシチス肺炎 65歳以上、肺疾患、DM, PSL使用、IgG低下はハイリスク 予防でバクタなどの抗菌薬投与 発症すればST合剤使用

・RA患者のワクチンについて  生ワクチンは不可、 インフルエンザ(できれば2回、)肺炎球菌ワクチンは推奨される。リツマキシブ使用下ではワクチンが効かない

・帯状疱疹ワクチンは不可

 

「関節炎の画像診断」  講師 池田 啓先生

・単純レントゲンにて評価できるもの  骨びらん(骨表の欠損) 関節の強直 骨の偏位、亜脱臼 関節スペースの狭小化 骨委縮

・骨びらんについて  骨表面はUSのほうが感度が高い  MRではより感度が高い

・軟骨の評価 MRではT2高信号 USでは高エコーの基線の下に低エコー

・滑膜炎 US有効 PD+で炎症の評価が可能  関節の腫脹が明瞭

・腱鞘滑膜炎 上記に同じ  MRではSTIR像が有効

・カルシウム沈着 X線、CTが有効 USも表面では有効

・触診とUS所見での炎症所見の解離がある。 圧通、腫脹がなくてもPD+の場合がある。 また逆もある。

・乾癬性関節炎 付着部の炎症 落せつ性紅班 (頭 背中など)

・レントゲンの頻度 手。足・患部・胸部 1年に1回は撮る(USでも可だが)

・エコーはRAにおいて“関節の炎症”を目で見ることができる。生物製剤の中止の目安になりうる。PD+の場合は再燃のリスク高い。また将来の関節破壊の予想も可能(寛解でも破壊は進む)

・USは関節穿刺の補助にもなり現在の整形外科診療に必須である。また患者とのコミュニケーションツールにもなる

 

「関節リウマチ治療における高容量MTXの有効性と安全性」  講師 鈴木 康夫先生

・MTX投与量 日本人では平均10~12mgでコントロールできる。 生物製剤使用下でもMTX増量にて寛解率アップ

・まずMTXは10から12まで上げてからbio,DMARDs併用を考慮する。

・副作用 血液障害26% 肺障害15%  6か月以降に多い

・乾癬 新生物  2年以降に多い

・血液障害 MCV上昇、腎機能障害、高齢が危険因子 eGFR30以下は禁忌 30~60は慎重に

・肺障害 間質性肺炎 ステロイドで治療

・新生物 リンパ増殖性疾患 免疫抑制剤で増殖する

・乾癬  免疫調節剤(IGU)に切り替える

 

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