4月24日に東京での研修会に行ってきました。
「関節リウマチ診療における感染症のマネージメント」
講師 天野 宏一先生
・RAにおいて生物学的製剤後の主要感染症の発生頻度 肺炎1~2% 結核0.08%~0.28% ニューモシチス肺炎0.1~0.44%
・抗酸菌感染症 結核(アメリカの4~5倍) 非結核性抗酸菌症(NTM)
・結核に感染後も90%は生涯発症しない。 宿主が免疫抑制状態になる発症する。 MTX、生物製剤、ステロイドの使用などがリスクになる
とくに結核感染発症の防御にはTNFαが機能しておりこれが抑制されると結核菌の脱抑制が起こる。
・潜在性結核患者にはRA生物製剤3週間以上前よりイソニアジド(INH)の内服を4行う(6~9ヶ月)
・結核に関しては治療前に検査が必須(インターフェロンーγ遊離試験、胸部X線かできればCT)
・NTMには有効な治療がない
・ニューモシチス肺炎 65歳以上、肺疾患、DM, PSL使用、IgG低下はハイリスク 予防でバクタなどの抗菌薬投与 発症すればST合剤使用
・RA患者のワクチンについて 生ワクチンは不可、 インフルエンザ(できれば2回、)肺炎球菌ワクチンは推奨される。リツマキシブ使用下ではワクチンが効かない
・帯状疱疹ワクチンは不可
「関節炎の画像診断」 講師 池田 啓先生
・単純レントゲンにて評価できるもの 骨びらん(骨表の欠損) 関節の強直 骨の偏位、亜脱臼 関節スペースの狭小化 骨委縮
・骨びらんについて 骨表面はUSのほうが感度が高い MRではより感度が高い
・軟骨の評価 MRではT2高信号 USでは高エコーの基線の下に低エコー
・滑膜炎 US有効 PD+で炎症の評価が可能 関節の腫脹が明瞭
・腱鞘滑膜炎 上記に同じ MRではSTIR像が有効
・カルシウム沈着 X線、CTが有効 USも表面では有効
・触診とUS所見での炎症所見の解離がある。 圧通、腫脹がなくてもPD+の場合がある。 また逆もある。
・乾癬性関節炎 付着部の炎症 落せつ性紅班 (頭 背中など)
・レントゲンの頻度 手。足・患部・胸部 1年に1回は撮る(USでも可だが)
・エコーはRAにおいて“関節の炎症”を目で見ることができる。生物製剤の中止の目安になりうる。PD+の場合は再燃のリスク高い。また将来の関節破壊の予想も可能(寛解でも破壊は進む)
・USは関節穿刺の補助にもなり現在の整形外科診療に必須である。また患者とのコミュニケーションツールにもなる
「関節リウマチ治療における高容量MTXの有効性と安全性」 講師 鈴木 康夫先生
・MTX投与量 日本人では平均10~12mgでコントロールできる。 生物製剤使用下でもMTX増量にて寛解率アップ
・まずMTXは10から12まで上げてからbio,DMARDs併用を考慮する。
・副作用 血液障害26% 肺障害15% 6か月以降に多い
・乾癬 新生物 2年以降に多い
・血液障害 MCV上昇、腎機能障害、高齢が危険因子 eGFR30以下は禁忌 30~60は慎重に
・肺障害 間質性肺炎 ステロイドで治療
・新生物 リンパ増殖性疾患 免疫抑制剤で増殖する
・乾癬 免疫調節剤(IGU)に切り替える