0561-33-0111
web予約

院内勉強会「扁平足」について

こんにちは

理学療法士の森田です。

先日、院内勉強会が行われましたので報告します。

 

足の縦アーチ(土踏まず部分)が低下したものを

総称して扁平足という。

「扁平足は、乳児では常のこと、小児ではよくある

こと、成人では正常範囲のもの」と言われているくらい

ありふれているがその病的意義、治療法など不明な点も多い。

 

近年、足の外科領域で成人期扁平足が特に注目されている。

まずは、足部の骨と筋肉の位置関係を確認し本題に入ります。

乳児期

乳児の扁平足は問題になることは少なく自然経過で解消する。

また、生まれつきの変形で非常に稀ではあるが

先天性垂直距骨があり、固い舟底足がある。

小児期

この時期によくみられるものは、

柔らかすぎることで生じる扁平足

ほとんどの場合痛みは伴わないが、体重がかかり

支えきれずに踵が外へ向くことで縦アーチが潰れてしまう。

思春期

自然経過により解消され無症状のものも多いが、

成長による体重増加やスポーツ活動の活発化により

症状が生じる場合もみられる。

 

有痛性外脛骨

舟状骨内側部に痛みを生じる。軽微な外傷や運動量の増加が契機

となる。

「足根骨癒合症」

特に距骨と踵骨の癒合による扁平足が多く、足を外に返す筋肉

たち(外返し筋群)が持続的に働き続けることで足が外に向く

腓骨筋痙性扁平足と呼ぶ形態になることもある。

 

成人期

「後脛骨筋腱機能不全(PTTD)」

一般的には、有痛性、進行性の扁平足で加齢変化を

基礎に筋腱の断裂や延長などの病的状態に陥ることがある。

初期→体重がかかった時のみに変形が見られる。

長期→拘縮が生じ、その形で固定化してくる。

 

 

身体所見の診かた

問診、X線所見、関節可動域、筋力等を総合的に判断。

治療

一番の訴えになる痛みに対しては薬物療法や

装具療法により荷重負担の軽減を図ります。

しかし、痛みは緩和しても日々生活していくことで

負担がかかることに変わりは無いため再発してしまう

可能性が高い。

 

そのため、リハビリテーションとして足部機能から

姿勢バランスの改善により負担軽減・身体機能の向上を。

可動性・柔軟性は、必要なことであるが機能的に

使えなければならないため運動も不可欠です。

下記に運動の例を挙げておきます。

よろしければご参考までに。。。

 

【つま先立ち】

POINT

踵が傾かずに真っ直ぐ引きあがるように行う。

座位で出来たら、立位へ。

 

【タオルギャザー】

POINT

足の指で床に置いたタオルなどを手繰り寄せる。

指を全部使い、しっかりと開いて曲げることを意識する。

院内勉強会「胸郭出口症候群と他の末梢神経損傷・頸椎疾患の鑑別ポイント」について

こんにちは。理学療法士の小幡です。

先日、院内勉強会がありましたので、報告していきたいと思います。

 

テーマは「胸郭出口症候群と他の末梢神経損傷・頸椎疾患の鑑別」

についてです。

 

〇胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS

 以下TOS)の原因

 →TOSは血管原性(動脈性、静脈性)、神経原性に分類される

  動脈性1%

  静脈性5%

  神経原性90%以上

  ※日常診療で遭遇するTOSは両症状を有する症例も少なくない

 

TOSの症状・所見

 ・動脈性TOS

  →上肢の蒼白、脱力、疼痛などを生じることが多い

 ・静脈性TOS

  →上肢のうっ血から上肢のチアノーゼ、緊満、疼痛を生じることが多い

 ・神経原性TOS

  →上肢のしびれ、疼痛・脱力などを生じる。

   上位型:台5//7頚髄レベルでの障害

      (頸部~上腕外側、前腕橈側にしびれ、疼痛・脱力症状)

   下位型:第8頚髄/1胸髄レベルでの障害

  (頸部~上腕内側、前腕尺側、環・小指にしびれ・疼痛・脱力症状)

 

〇鑑別を要する外来診療での疾患

 ・尺骨神経麻痺

  →巧緻性運動障害、手内筋の萎縮と鷲手変形を生じる

   環指尺側から小指と前腕尺側の領域で感覚異常を訴える

   神経原性TOSの下位型(第8頚髄/1胸領域の障害)との鑑別は、

   特に重要

   肘部管症候群と尺骨管(Guyon管)症候群がある

 

 ・肘部管症候群とTOSとの鑑別

  →末梢部での症状は似ているが、肘部管での神経絞扼所見がない

   神経伝導速度検査において、肘上‐肘下間で運動・感覚神経伝導

   速度の遅延がみられない

 ・尺骨管(Guyon管)症候群とTOSとの鑑別

  →尺骨神経が障害をうけている尺骨管(Guyon管)より遠位に感覚

   障害と運動障害を認めること

   神経伝導速度検査により、障害部位の同定が可能

 

 ・手根管症候群(carpal tunnel syndrome:CTS、以下CTS)とTOS

  との鑑別

  →CTSの主症状は母指から環指橈側にかけてのしびれと疼痛、進行に

   伴う母指球の筋委縮による母指の対立運動の障害、手関節掌側部手根

   管上でのTinel徴候を認める。

   前腕の感覚障害部位の詳細な観察と手部の筋委縮の確認、症状誘発

   試験と神経伝導速度検査の結果からCTSTOSとの鑑別は可能。

 

〇頸椎疾患とTOSとの鑑別

 →頸椎症性脊髄症の症状としては、頸部痛の他に四肢のしびれや筋力

  低下、歩行障害さらに膀胱直腸障害がみられる。

  髄節症状として上肢のしびれとし、次いで手の巧緻性運動障害と

  痙性歩行が生じる

  錐体路障害として痙性歩行、深部腱反射の亢進、Hoffmann徴候

  陽性がみられる。

 

 →頚椎症性神経根症の多くの患者では後枝症状である肩甲骨への痛み

  から発症する。すなわち、C5C6では肩甲上部、C7C8であれば

  肩甲間部、さらにC8では肩甲骨部に痛みがみられる。

  進行すると上肢へ放散する疼痛やしびれが生じ、dermatomeに一致

  する範囲へ痛みが現れる。放散痛はC5で肩外側、C6で母指、C

  で示指や中指、C8であれば小指に出現する

  真の神経性胸郭出口症候群がT1を主体としたdermatomeの所見が

  多いのに比して、頚椎症性神経根症ではC8が多い。

 

 →頚椎症性筋萎縮症は上肢の筋委縮を主訴として、感覚障害や下肢

  症状が目立たない。Keegan型頚椎症とはぼ同義。

  脊柱管傍正中から椎間孔入口部での前角あるいは前根障害とされる。

  近位型はC5障害が主体であり、三角筋を中心に上腕二頭筋もしばしば

  筋力低下をきたす。(腱板断裂との判別に注意)

  遠位型はC8障害が主体。総指伸筋、長・短母指伸筋の筋力低下による

  下垂指がみられ、第一背側骨間筋と小指外転筋も障害される。

参考文献:整形・災害外科62:155-162,165-170

5/22院内勉強会「腕神経叢牽引胸郭出口症候群の治療と評価」

はじめまして、理学療法士の牧野です。

今回は5月22日に院内勉強会「腕神経叢牽引型胸郭出口症候群の治療と診断」を行いましたのでご報告させて頂きます。

 

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは、首から出た神経が腕に達する途中で圧迫または牽引されることにより腕の痺れや首・肩・腕の疼痛、冷感、倦怠感が生じる疾患です。

日常での重量物の負荷やスポーツ、姿勢不良により神経の牽引が慢性的に繰り返されることで症状が出現することが多いといわれています。

 

首から出た神経は下の図のように中斜角筋前斜角筋間鎖骨と第1肋骨の間烏口突起と小胸筋間を通り腕へ達します。不良姿勢などにより上記3か所が狭小化に伴う圧迫ストレス(圧迫型)または牽引ストレス(牽引型)により症状が出現します。

 

 

〈頚部を前面から見た図〉

前斜角筋 中斜角筋 神経

 

〈右胸部を前面から見た図〉

 

 

男女の割合としては牽引型が8%、圧迫型が18%、混合型が74%と言われています。牽引型はなで肩女性に多いと報告されています。(男:女 1:11)

牽引型の特徴・症状・診断方法を下記にまとめさせて頂きます。

 

特徴

・不良姿勢(なで肩で前傾姿勢)により好発する

・鎖骨が水平あるいは八の字となる(通常は斜め上方向に上がる)

 

症状

腕の外側に痺れが出ることが多い

・全身倦怠感

夕方に徐々に増悪する

・腕の肢位で症状が変わる

 

診断方法

モーレイテスト

神経の通過する斜角筋三角部(下図のa)と肋鎖間隙(下図のb)に圧痛所見がある場合陽性と判断します。

 

神経過敏性の評価

腕を下方に牽引することで症状の増悪肩甲帯を挙上することで症状の軽減が観察されます。

 

ライトテスト

電車のつり革につかまるように肘をまげて腕を上げた際に痺れや重だるさの出現、橈骨動脈の消失ないし減弱を認めます。

 

レントゲン検査

 

治療

治療はリハビリ装具療法投薬の3つがあります。

リハビリ

姿勢不良により疼痛・痺れが引き起こされることが多いため、肩甲帯周囲や体幹、下肢の機能改善を行い症状の緩和を図ります。

症状の程度に合わせて理学療法士が適切な訓練を考案します。

 

装具療法

なで肩により神経が過度に牽引され症状が出ている場合は肩甲帯装具を用いて姿勢を強制することで症状の軽減を促します。

〈肩甲帯装具〉

 

投薬

神経の過敏性を軽減する目的で神経や筋へのブロック注射や消炎鎮痛剤の処方をします。

go top