0561-33-0111
web予約

5/8院内勉強会「肩関節周囲炎・腱板断裂の診断」

こんにちは、理学療法士(PT)後藤です。

今回はゴールデンウィークあけの5月8日に院内勉強会

「肩関節周囲炎・腱板断裂の診断」

を行いましたのでそのご報告をさせていただきます。

今回も毎度のことながら院長のわかりやすい説明でした。

また今回は超音波(エコー)での画像診断の話もあり、

新しいエコーを使い、エコー診断について教えていただきました。

僕たちPTも実際にエコーを使いきれいに描出するやり方や写っている筋や腱など説明を行っていただきよりより理解が深まりました。

それでは本題にいきたいとおもいます。

 

 

はじめに

肩関節周囲炎および腱板断裂は肩に疼痛と機能障害を引き起こす代表的な疾患です。

そのため身近な人にも肩が痛いなど言っているヒトはいませんか?

それくらい頻繁に目にする疾患です。

周囲炎と断裂では病態が全く異なります。

しかし、症状は酷似しています。

そのため、他の疾患を除外することが重要であるため、身体所見・理学所見に加え、単純X線・超音波(エコー)・MRIなどの画像検査を行っていきます。

それにより治療方針が決まり治療に進んでいくことができます。

 

 

はじめに、肩関節周囲炎を説明していきます。

 

 

肩関節周囲炎

よく聞く病名だと思いますが、単一の疾患を示すものではなく、

肩関節に疼痛と可動域制限をきたす疾患の総称です。

 

一般的には「五十肩・四十肩」として認識されている。

 

特徴は・・・

病期(炎症期・拘縮期・回復期)を経て軽快するものです。

※欧米では凍結肩(primary froxen shoulder)言われています。

発生頻度は人口に対して2〜3%で、好発年齢は40〜60代、70%は女性で発症し、両側罹患は17%である。また再発は稀です。

 

 

症状(病期ごとに)

それぞれの時期において症状や治療方針が異なります。

炎症期

安静時、動作時のいずれにおいても疼痛が強く、夜間痛もみられます。

拘縮期

拘縮に伴う可動域制限及び可動域最終域での動作時痛が主症状となります。また夜間痛ではなく、寝返りなどの体動に伴う夜間の疼痛を訴える場合もあります。

回復期

多くは徐々に自然軽快するが、症状改善には長期間(数ヶ月〜数年)を要する例が多い。また症状が寛解せず疼痛・拘縮が残存する場合もあります。

 

 

治療方針

炎症期

関節注射や投薬、局所安静などの消炎鎮痛処置が中心。この時期に無理に動かすと疼痛や機能が増悪につながることがあるため。

拘縮期以降

拘縮に伴う可動域制限および可動域最終域での動作時痛が主症状であり、リハビリテーションによる拘縮改善や肩甲体機能改善が中心。

拘縮が残存し支障が大きい場合には徒手的な授動術(麻酔下)や関節鏡視下の関節包切離が適応となる例もあります。

 

 

続いては、、、

 

 

腱板断裂

一般住民を対象とした調査では、50歳以上の約25%に断裂し、そのうち約2/3は無症候性断裂であることを報告しています。

また、腱板断裂の有無は、70歳代では約45%、80歳代で50%と年齢を増すごとに上昇していたと報告されています。

診断においては身体所見、画像診断が重要。上肢の挙上困難であれば頚椎疾患の除外も重要です。

また断裂の程度により部分or完全断裂に大別されます。

 

診断(身体所見・理学所見)

身体所見 視診

三角筋・棘上筋・棘下筋などの肩周りの筋肉が萎縮してないかを確認する。

身体所見 触診

断裂部の陥凹、礫音を確認する。

断裂部の陥凹は断裂によって生じた陥凹を三角筋の上から触知するものであり、広範囲に及ぶ断裂の場合には触知できないこともあります。

礫音は上腕下垂位・肘屈曲位で肩を軽度伸展し、検者が大結節部を触知しながら反対の手で他動的に患肢を内外旋させ、礫音の有無の判断します。

理学所見

関節可動域、インピンジメント徴候(NeerやHawkins)、腱板機能評価(棘上筋や棘下筋、肩甲下筋、小円筋)が主体評価となりますがまだまだ様々な評価をかけわせていきます。

僕たち理学療法士は臨床の限られた時間の中で評価と施術を行っていますが、評価がなければ原因を見つけることができません。

そのため僕たちはトライ・アンド・エラーを繰り返し取り組んでいます。

 

 

治療方針

投薬、関節注射、リハビリテーションを中心とした保存治療と手術に大別されます。

一般的に腱板断裂に対しては、まずは保存治療を行います。

疼痛や機能障害の改善が得られない例に対して手術治療を行うとされています。

保存的治療

薬物療法

急性期の安静時痛及び夜間痛には薬物療法が有用であり、消炎鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)の内服、ヒアルロン酸やステロイドの肩峰下滑液胞内への注射が行われます。

リハビリテーション

肩甲帯機能訓練、内外旋の筋力訓練や拘縮に対するリハビリテーションを行います。

リハビリテーションを含めた保存的治療で70〜80%の患者で症状の改善が得られたと報告されています。

手術

腱板修復術

鏡視下腱板修復術が広く行われており、直視下手術と比較して成績には差がなく、術後早期の除痛においては鏡視下手術のようが優れていたという報告がされています。

修復術には多彩な手術がある。。。

リバース型人工肩関節

原則70歳以上の偽性麻痺肩に適応となります

自動挙上の改善、除痛などにおいて良好な成績が報告されているが、合併症が多いと報告されており、他に治療方法がない症例に対して最終的な治療手段として用いるべきです。

 

 

 

おわり

肩関節周囲炎及び腱板断裂について、臨床像・検査・診断法・治療などを説明していきました。

病歴、主訴、身体所見及び画像所見を総合的に評価し、機能障害を引き起こしている病態の主座を把握することが重要で、そこから治療が始まっていきます。

無理に酷使せず休ませても痛みが引かないなら、是非当院に来てください。

 

4月〜大型PT勉強会 『肩とは』

●はじめに

こんにちは、理学療法士(PT)の近藤です。

4月は新しい季節の始まりです。あいにく今年は、コロナウイルスの影響で清々しい日々とはいきませんが、当院PTも4月から気持ちも新たに新しいテーマで勉強会を行うこととなりました。テーマはズバリ『肩関節』です。日々多くの肩関節周囲の疾患に出会うわけなのですが、なかなか介入がうまくいかないと感じるセラピストが多いようです。そこで4月から約半年間に渡り各担当ごとに、肩に関する介入の仕方を共有しようということで月替りで行うことにしました。4月は、基礎的な点を私、近藤が話させていただきました。今回は、その時の様子を報告させていただきます。

 

 

●勉強会の様子

まずはじめに肩の基本的な解剖・運動学を中心に説明していきました。

肩関節というのはよく動く関節です。(自由度が高い)故に、制限に絡んでくる因子が非常に多く考える要素も多いです。しかし、それぞれ目的とする運動に対してどういう条件を満たせばスムースに動くのかと考えると見ややくなります。そんな点を理解してもらえたら嬉しいと思います。(笑)

そして、口だけで説明しても正直イメージが湧きませんのでその辺は適宜実技も交えながら行いました。

 

みなさん、とても頷いて聞いてくださったので話している自分もうれしかったです。今後に生かしていきたいですね!話す内容を考えていると自分もそうなんだとかこんなことも関係しているのかなど自分の知識や技術のブラッシュアップにも繋がり非常に有益です。

 

●さいごに

当院は、このような勉強会を定期的に開催しています。5月は山内が関節モビライゼーションについて話してくれます。楽しみです。研鑽です!

4/17(金)院内勉強会「関節リウマチと鑑別すべき疾患」

こんにちは。PTの山内です。

整形外科において関節炎の話は大切にされますが、何が原因で引き起こされてるのか?という判断は難しいものです。

それが関節リウマチによるものなのか?それ以外の理由なのか?

先日の院内勉強会で「関節リウマチと鑑別すべき疾患」がありましたのでその報告をしようと思います。

 

①関節リウマチと脊椎関節炎との鑑別

②関節リウマチと全身性結合組織病との鑑別

大まかにこの2つに分けてお話していきます。

 

説明に入る前に、関節リウマチの大まかな病態にについてお話します。

関節リウマチは分解酵素過剰と破骨細胞の増殖、それらの活性化は軟骨破壊と骨破壊に繋がるため、関節が変形することに繋がります。

 

②関節リウマチと脊椎関節炎との鑑別

脊椎関節炎の特徴

1 仙腸関節炎及び炎症腰背部痛

2 末梢関節炎

3 腱、靭帯の付着部炎

4 血清リウマチ因子陰性

5 指趾炎

6 HLAB27が陽性

7 関節外症状(ぶどう膜炎・乾癬・炎症性腸疾患)

 

脊椎関節炎の中に強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、掌膿疱性骨関節炎があります。

 

強直性脊椎炎は通常の腰痛とは違い、「安静で痛み悪化、運動で改善」する症状が主訴に置かれ、脊椎・仙腸関節の靭帯棘形成・強直によって脊柱の可動性が大きく制限される疾患です。

 

乾癬性関節炎は炎症角化症の代表疾患である乾癬を主症状に関節炎や脊椎関節炎、指趾炎、付着部炎が伴う病態です。

 

反応性関節炎はクラミジア、サルモネラ、赤痢菌、カンピロバクターなどの先行感染によって尿道炎もしくは子宮頸管炎後の6週以内に結膜炎や関節炎、腱付着部炎、皮膚粘膜障害が出現します。

 

炎症性腸疾患関連関節炎は潰瘍性大腸炎やクーロン病に伴って関節炎・脊椎炎、仙腸関節炎が出現します。

 

ここで言えることは関節炎が出現していても何によって引き起こされているのか、何が主症状なのか、画像所見ではどうなっているかで診断される病名も治療も違ってきます。

 

③関節リウマチと全身性結合組織病の鑑別

全身性結合エリテマトーデスは全身性の自己免疫疾患であり、20から40歳女性に好発します。蝶形紅斑、ディスコイド疹、日光過敏等の皮膚・粘膜症状を引き起こします、8割から9割の割合で関節炎は起こりますが、骨破壊を伴う関節リウマチとは違い骨破壊は起きないがJaccoud変形を伴う。

多発性筋炎、皮膚筋炎

近位筋、頸部筋の横紋筋炎症をきたす慢性炎症性疾患です。皮疹を伴わないものは多発性筋炎、皮疹を伴うものを皮膚筋炎と言います。筋力低下を引き起こすため、嚥下障害や構音障害をきたすこともある。皮疹は上眼瞼にヘリオトロープ疹、関節背側面にゴットロン徴候などの症状が出現します。

強皮症は皮膚が硬化する全身性結合組織病です。皮膚が硬くなり、色素沈着、毛細血管拡張、石灰沈着をきたしたり、爪上皮延長・出血点、指尖部潰瘍や壊疽が出現します。

混合性結合組織病

全身性結合エリテマトーデス、筋炎、強皮症等の症状が合わさったような症状が出て、レイノー症状やソーセージ様の指炎などがでます。

 

シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺にリンパ球浸潤し、ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状をきたす疾患です。関節リウマチと合併することがあります。

血管炎症候群は血管壁に炎症をきたす疾患で、膠原病や感染症、薬剤、炎症性腸疾患、腫瘍によって引き起こされることもあります。高熱による全身倦怠感、血管障害を引き起こし出血や虚血状態になるため多臓器症状もあります。リベドー皮疹や皮膚潰瘍をともうこともあります。関節炎や筋痛は伴うが、関節破壊や変形は稀である。

 

リウマチ熱はA群レンサ球菌感染の数週間後に心臓や関節などに炎症をきたす非化膿性炎症性疾患です。

 

サルコイドーシスは非乾酪性類上皮肉芽腫の形成を特徴としちら原因不明の全身性多臓器疾患です。急性では発熱に伴い大中関節に関節炎がありますが、数週間で軽快することが多い。

 

ベーチェット病は再発性アフタ性潰瘍、皮膚病変、外陰部潰瘍、眼病変を4大主症状とする原因不明の炎症性疾患です。関節炎が初発症状であることもあります。

 

以上のことから関節炎の症状は共通であっても病名によって何が原因で出現しているのかは違ってきます。そのため関節炎だけに捉われず、問診、皮膚状態、画像初見等様々な評価が必要になります。その評価次第で生活の仕方や治療方法も変わっていくので、ちょっとした違いを把握すると良いと感じました。

 

以上、院内勉強会の報告を終わります。

長々としていますが、読んでくださって誠にありがとうございます。

学んだことを貢献に活かしていきます。

go top