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勉強会「PNF×redcord~歩行へのアプローチ~」について

こんにちは 理学療法士の小幡です

先日、おんじぃの部屋 知立店にて勉強会が開催されたので、
参加してきました

 

テーマは、「PNF×redcord~歩行へのアプローチ~」でした

 

〇歩いてもらうとき

A.歩いてみましょう

→構えが中心になる

B. テーブルまで行ってみましょう

→環境側が働きを変える

     

  アフォーダンス

アフォーダンス

 環境の様々な要素が人間や動物などに働きかけ、
そのフィードバックにより動作や感情が生まれること

ABを比較したとき、課題を遂行するという観点から考えたとき、
Bの方が望ましいと言われている

 

〇歩行とは

 身体重心より後方に接地した下肢を通じて、床面からの抗力を
推進力として重心に付与しながら、空間において動的バランスを
制御するリズム運動である

 治療ターゲットであるとともに、歩行分析は二足歩行の
運動戦略とその効率や安定性を同定するための手段である

             Medical Rehabilitation No.156 2013 4

 

 ・歩行は高度に自動化した運動。細部にわたるまで決定した一定のパターンがつぎつぎに反復、連続したもので構成。

・移動は全身の筋・骨格系の共同的な働きによって行われ、中枢神経系に協調的に作用されているため抹消の反応は中枢での過程を推測できる

・誰もが正常であれば同じパターンを示し、特別に訓練された巧緻性のある運動ではない。そのパターンの年齢的変化は成長に伴った発達過程をたどる

・重力に対して立位姿勢を保持しながら、全身が移動する複雑な動作である。

                 基礎運動学(Bernstein)より抜粋

 

 

 

〇パッセンジャーとロコモーター

 パッセンジャー

 →頭部・頸部・体幹・骨盤・両上肢

  ⇒歩行時重心が上下左右方向に働きながらも直立位の
   アライメントを維持

 ロコモーター

 →骨盤・両下肢

  ⇒筋活動による下肢・骨盤の協調した働きやアライメント
   を調整

 

 共通するもの:「骨盤」

 

〇歩行の決定要因

     骨盤回線:片側4°

     骨盤傾斜:5°(下方)+骨盤前傾:4°

 →重心の上下移動の減少  

     骨盤側方移動:立脚期の股関節内転で発生:3㎝

 →重心の側方移動の減少

     立脚期での膝屈曲:double knee action

           →衝撃の緩衝

    重心の上下移動の振幅減少 

     足関節と膝関節の機構:足と膝の逆作用

 →上下移動の減少

 

〇正常歩行の構成要素

     踵接地における体幹伸展の制御

     立脚期における骨盤安定のための股関節側方制御

     立脚後期における足部や下腿からの感覚入力

     遊脚相の代償運動

     両脚支持期の左右の協調

 

〇骨盤傾斜に対して(骨盤安定化):片脚立位

 ・前額面上

  支持脚の(内転位での)中殿筋

     +

   対側腹筋群

   腰方形筋

 

〇体幹の役割

 四肢の筋が動きを作り、体幹筋は動きを止めたり、制御する

 ⇒脊柱と骨盤に剛性と安定性が必要

 

 Perry(1984):腰方形筋での骨盤固定や運動制動が歩行に不可欠である

 

 体幹筋は剛性や安定性に関係するため、主動作や拮抗筋はない

    
   スパイナル・コントロール:
Paul W Hodges

                                                              Jack Cholewicki

                                                              Jaap H Van Dieen

 

                                                                                                            

〇歩行時の上肢の筋活動

僧帽筋(菱形筋)は肩甲骨を体幹に安定させるため、

 大円筋(広背筋)は体幹回旋への対抗のため  に働く

 

〇歩行のまとめ

 体幹・骨盤の安定の中で股・膝関節の屈伸および骨盤の回旋など
 の動きを行うことで、歩行の安定と効率のよい運動が高まる

 

〇動くために知っておくこと

     体重心は体型や姿勢などにより変わる

     姿勢と重心(線)から関節に加わるモーメントが推測できる

     姿勢保持に対する筋活動の状況が推測できる

 

〇ヒトが(楽に)動くためのルール

     Weight shift

     Stability

     Mobility

Weight shiftした先にはStabilityが必要

Stabilityが作られなければ、Weight shiftはできない?!

(できるが、効率的ではない)

よって、先にStabilityを作る必要がある

 

〇なぜ体重心の移動が必要か

 ・重力下では体重心がかかっている支持基底面は支持として働く

  

 動かない

・体重心が移動する

   

 体重心が移動した先の支持基底面が支持として働く

   ⇓

 体重心が外れたところが動く

 

Motor control

1.      Mobility 歩きに適した可動性はあるか

2.      Stability 荷重支持はできるか、アライメントは保持できるか

3.      Mobility on Stability Rocker機能などの前方推進力はどうか

4.      Skills(Locomotion) 歩けるか

 

〇介入時のポイント

 ・Functional Approach

 ・Functional level~Actibity level

 ・Direct / Indirect

 ・Motor learning principles

     Shaping

     Intrinsic vs Extrinsic focus of attention

 ・Repetition without repetition

 ・challenge

 

以上 歩行能力を向上させるための勉強会でした。

座学だけではなく、実技も随所に盛り込まれており、
治療技術の向上にも役立てられる内容だと思います。