今回は、
「皮膚疾患と整形外科学的症状」
「腰痛をきたす他科疾患」
について院内勉強会を行ったので報告します。
 
○皮膚疾患と整形外科学的症状
はじめに
皮膚疾患の中には骨・関節・神経の症状が
合併することがあり、反対に整形外科疾患
において皮膚症状を合併する疾患もある。
 
<関節症性乾癬>
乾癬は、紅斑が全身に散布する疾患。
発症から2年以内に約50%の症例で
関節変形が生じることが報告されている。
 
好発部位・症状としては、
仙腸関節、手指関節、爪変形が多い。
 
<掌蹠膿疱症性骨関節炎>
掌蹠に無菌性膿疱が多発する疾患。
慢性に出現し、軽快を繰り返す。
原因は、不明だが
病巣感染・歯科金属・喫煙の影響と
考えられている。
 
好発部位については、
胸肋鎖関節が最多。
脊椎・仙腸関節・末梢関節にも生じることがある。

<リウマチ結節>
数㎝程度の弾性硬の皮下結節がみられる疾患。
関節リウマチ患者の約20%にみられる。
外的刺激を受けやすい部位に生じやすい。
 
好発部位として
手背・肘・前腕・足

<帯状疱疹>
水痘・帯状疱疹ウイルスの活性化により発症。
片側の一定神経領域に紅斑・丘疹・紅暈を伴う
小水痘、血疱が集簇性に出現し、帯状に配列する。
発疹が生じた同神経領域に神経痛様の疼痛が出現。
 
○腰痛をきたす他科疾患
はじめに
腰痛は頻度の高い愁訴であるが、原因が特定できたのは、
約15%程度で残り85%は原因不明とされている。
そのため、他科疾患の可能性を検討する必要がある。
腰椎椎間板ヘルニア  4%
腰椎椎体骨折     4%
腰部脊柱管狭窄症   3%
腰椎すべり症     3%
悪性腫瘍      0,7%
化膿性脊椎炎    0,01%
 
<癌の骨転移>
脊柱への転移が初発症状を引き起こし受診することが多い。
現発巣としては、乳癌・前立腺癌・肺癌が多い。
 
診断
①50歳以上(男女差なし)
②癌の既往
③原因不明の体重減少
④1か月以上継続する腰痛
⑤安静時痛
 
<脊椎関節炎>
脊椎や仙腸関節や末梢関節に炎症をきたす疾患。
強直性脊椎炎
 10~20歳代の男性に好発し、仙腸関節から始まり上方へ進行
 XP上では、竹様脊柱(bamboo spine)がみられる。

乾癬性関節症
 全身性だが、脊柱に好発する。
<パーキンソン病>
パーキンソン病患者の59.5~74%は腰痛を訴えるとされている。
深夜から明け方にかけて生じ、数秒から数時間継続する。
原因としては、腰背部筋の筋拘縮・姿勢異常・神経根症など
薬物療法により症状緩和が見込める。
手術による方法もあるが、重篤な合併症が発生することもあるため
慎重に検討する必要がある。
 
<大動脈解離>
大動脈中膜の解離をきたす疾患。
高齢者では、高血圧が危険因子とされている。
急性大動脈解離の多くは激痛を伴う。
この疼痛は、背部・胸骨下部・左前胸部などに生じるが、
解離の進行に伴い、大動脈の走行に沿って頚部から腰部・
下肢まで移動する。
 
<尿路結石>
症状は、片側性の腰背部から下腹部や側腹部、鼠径部
にかけての疝痛発作があり、腰背部の叩打痛がある。
尿検査では、血尿となることが多いが、必ずではない。
 
<腎盂腎炎>
症状は、腰痛・悪寒を伴う高熱、嘔気。患側腰部に叩打痛。
尿検査では、膿尿となり細菌が検出され、CTで腎臓腫大。
適切な抗菌薬の投与を行えば数日で解熱することが多い。
 
<子宮内膜症>
成人女性の10%に発症し、その内60%が腰痛を訴える。
そのほか、下腹部痛があり月経時に限定されない。
 
<消火器疾患>
胃・十二指腸潰瘍なども腰背部痛の原因となる。
食事に関連して変化する
胃潰瘍は、食べ物が潰瘍を刺激し、食後に痛み。
十二指腸潰瘍は、胃酸が潰瘍を刺激し、空腹時に痛み。