こんにちは

理学療法士の小幡です

 

先日、「足部・足関節の疲労骨折」「スポーツによる下肢疲労骨折」

について院内で勉強会がありましたので、まとめていきます

 

○疲労骨折

→軽微な外力が繰り返されることによって発生する骨折であり、
 一回の強い外力で生じる外傷性の骨折とは異なる

→オーバーユースが主な原因で、競技特有の反復動作が関与して
 その部位に発症しているものが多い

→スポーツによる疲労骨折は、荷重や筋力の影響を受ける下肢に
 圧倒的に多くみられる

 

○下肢疲労骨折の診断・治療

 1.診断

 →痛みの部位、痛みが出現する動作、安静時痛の有無、外傷の有無、
  スポーツ種目、練習量、練習内容などについての問診

 →有痛性跛行

 →hop test(片足ジャンプで疼痛誘発の有無をみる)

 

 2.画像検査

 1)単純X線検査

 →検査としては、第一選択

 →発症初期には所見がないことも多い

 2MRI

 →発症初期などで、単純X線像で診断がつかない場合、鑑別診断・
  病態把握・治療経過の判定にも有効

 →STIR像での骨髄内の浮腫を高信号域として早期からとらえること
  が可能

 3CT

 →単純X線像で描写しにくい部位や、3D像で骨折を立体的に把握する
  のに適している

 4)骨シンチグラフィ

 →血流の少ない部位や多発で困難な場合に有効

5)超音波検査

 →骨皮質の途絶。突出などの骨膜反応の描出や、カラードップラーで
  周囲の血流増加などの所見が得られることがある

 

 3.治療

 →原因となった運動の休止などの保存療法が基本

 →難治・再発例や完全骨折例、あるいはスポーツレベルによっては
  積極的に手術も考慮

○部位別の下肢疲労骨折
 
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 1.大腿骨疲労骨折
→全体では女性に多く、陸上中距離選手や体操選手などに多くみられる
→hop testはすべてのタイプで陽性率が高い
→大腿骨骨幹部疲労骨折では、fulcrum testが陽性になる
→大腿骨頚部疲労骨折において、Devasの分類では、繰り返される圧迫
 ストレスにより生じるcompression typeと頚部外側への伸張ストレス
 により生じるtransverse typeに分けられる

 2.膝蓋骨疲労骨折
→跳躍型スポーツに多い(比較的まれだが)
→遠位1/3の横骨折が多い

 3.脛骨疲労骨折
→全疲労骨折の50%が脛骨に発生する
→多くは疾走型(後内側部)や跳躍型(中央前側部骨幹部)である 
 
 4.腓骨疲労骨折
→腓骨近位に生じるものは跳躍型、遠位は疾走型
 (長距離のランニングなどでは近位型も発生)

 5.舟状骨疲労骨折

→トップアスリートに多く生じ、中足部内側の荷重時痛および舟状骨部の

 内外側部からの圧迫による疼痛の再現を認めることが多い

→発生機序としては、足を接地する際に荷重により内側縦アーチが下方へ
 沈み、距骨・楔状骨から圧縮力が加わること、つま先立ちの肢位において
 舟状骨には剪断力が加わること、または後脛骨筋腱からの牽引力が加わ
 り、骨折部が開く方向に作用することなどが影響すると考えられている

 6.中足骨骨幹部疲労骨折
→足部の疲労骨折の中で、最も発生頻度が高い
→第2,3中足骨骨幹部にみられることが多い
 
 7.第5中足骨近位部疲労骨折
→偽関節や再骨折を起こしやすい
→サッカー選手に多い
→骨癒合は遷延しやすく、一旦治癒しても再骨折をきたしやすい

 8.母趾基節骨疲労骨折
→スポーツ選手における疲労骨折の0.5%とされ、半数以上が陸上競技
 選手に発症
→骨折部位は基部内側がほとんどで、外反母趾症例に多くみられることも
 指摘されている

参考文献
 整形・災害外科Vol59:1461-1467,2016
 整形・災害外科Vol59:1469-1475,2016