こんにちは 理学療法士の小幡です
先日、「足関節・足部の外傷における超音波画像」について、
実技を踏まえながらの勉強会を行いました
内容
① 超音波検査について
② 画像の見かた
① 「超音波検査について」
○超音波検査の利点
→超音波検査は単純X線像では診断の困難な骨折の
診断に有用
→軟部組織が画像評価できる
→放射線被ばくがない
→リアルタイムで診断可能
→動的な診断が可能 etc.
○超音波画像の特徴
→足部・足関節は軟部組織が薄いため、高周波
リニア型プローブを用いることが望ましい
→幅の大きいプローブは広範囲の画像が得られるが、
凹凸のある部分には不向き
→腱や靭帯など線維方向が一定の構造物は音響
異方性の影響を受けやすい
→腱断裂はfibrillar patternの配列の乱れや途絶を
示し、断絶部に血腫が介在すると低エコー像を示す
また、他動的に動かすことにより、腱の不連続性や
癒着が確認できる
→靭帯断裂は靭帯の腫脹、fibrillar patternの消失、
途絶、開大が観察される
→骨は超音波ビームが骨表面でほぼ反射されるため、
骨内部の情報は得られないが、骨表面の状態を詳細に
捉えることが可能
骨表面は線状高エコー像として描出される
骨折の場合、骨表面の線状高エコーの途絶、段差を認め、
骨皮質表面に血腫を観察できる
② 「画像の見かた」
○アキレス腱断裂
画像①「正常アキレス腱」
アキレス腱はfibrillar patternを呈し、足関節レベル
では厚さは平均で5mm程度
画像②「アキレス腱断裂①」
fibrillar patternの途絶を示し、断端間には低エコーを示す
血腫の存在を認める(矢頭:断裂部位)
画像③「アキレス腱断裂②」
断裂部(矢頭)に脂肪体が入り込み、高エコー像
を示す
画像④「アキレス腱断裂③」
踵骨付着部での変性断裂例(矢頭:断裂部位)
→アキレス腱断裂は断裂部位により治療法、術式が異なる
ため、アキレス腱実質部での断裂、踵骨付着部での断裂、
筋腱移行部での断裂などを鑑別する必要がある
→Kotnisらは新鮮アキレス腱断裂の患者に対し、超音波
検査を行い、足関節底屈位で断裂部の間隙が5㎜以上の
症例に手術療法、5㎜未満の症例に保存療法を施行し、
再断裂に有意差がなかったと報告している
以上、今回学んだことをまとめさせていただきました。
引用文献:MB Orthop Vol.27 NO.12 2014