みなさんこんにちは。理学療法士の小幡です。
先日、「こどもの歩き方,下肢の変形,脚長不等」をテーマとした院内勉強会が開催されました。
今回は、勉強会で学んだ内容をもとに、跛行・歩容異常、疾患、評価についてまとめていきます。
子どもの歩き方がおかしい、あるいは足の形が気になるという小児の整形外科診療において比較的よく出会います。
小児の跛行あるいは歩き方の異常の原因として、形態異常、疼痛、関節可動域制限、神経筋疾患による麻痺があり、それぞれに特徴的な所見があるため、診察を丁寧に行えれば診断に近づきます。
また適切な病歴の聞き取りや身体検査に加えて、必要に応じて生化学的検査や画像診断を行うことで原因を特定できます。
〇代表的な歩行パターン
①疼痛性歩行:立脚期が短くなる歩行。疼痛が強い場合は全く歩かないこともあります。
②トレンデレンブルグ歩行:主に股関節外転筋が弱い場合、片脚立位時に骨盤を水平に保つことが出来ない歩行。
③尖足歩行:つま先立ちで歩き、踵を接地できない。下肢全体の筋力低下のある神経筋疾患などでみられます。痙性を伴う場合もあります。

図 尖足歩行
〇代表的な疾患
①ペルテス病:大腿骨頭の血流障害により、股関節痛と跛行がみられます。疼痛は軽度で跛行のみの主訴の症例も多いです。
②発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip :DDH):乳児健診で指摘を受け治療開始となることが多いですが、乳児期に発見されなかった場合、歩行開始後に跛行で受診し診断される例もあります。

図 股関節形成不全
③JIA(若年性特発性関節炎):6週間以上持続する自己免疫性の関節炎で、痛みと可動域制限が生じます。MRIでは滑膜の増生を伴う関節炎が指摘されます。
④神経筋疾患:脳性麻痺や筋ジストロフィーなど、神経や筋の障害により歩容異常がみられます。
〇下肢の変形・脚長不等
形態異常にはO脚、X脚などに代表されるアライメント異常、るいは左右で脚長の異なる脚長不等があります。アライメント異常のなかには生理的なO脚やX脚も多く、これらは時間の経過とともに改善が期待できます。一方で、骨系統疾患や骨代謝異常が存在していることもあり、この場合は治療介入を要する場合もあるため、生理的なものか、それ以外の疾患かの鑑別が重要になります。脚長不等の原因はさまざまでありますが、片側肥大。骨端線の成長障害、先天異常、骨腫瘍などが鑑別にあがり脚長不等を疑った場合には画像検査により骨長の計測を行うことで正確な脚長差を知ることができます。
アライメントの評価
・膝関節間距離
膝の内側の距離が大きいほどO脚のアライメントであることを示唆しています。
・足関節内果間距離
足関節の内果間の距離が大きいほどX脚強いです。
・Foot progression angle(FPA)
歩行時のつま先の向きが正中からどれくらい内側あるいは外側を向いているかで、うちわ歩行などの評価を
自発痛が消失したら、すべてのストレッチ、静的な深部体幹筋トレーニングを許可します。リハビリテーションにスポーツ動作を意識したトレーニングを取り入れていきます。
・Thigh foot angle(TFA )
大腿の軸に対して足部の長軸のなす角で表します。下腿の内捻・外捻の評価に用います。正常では0°ですが、先天性内反足などでは下腿の内捻を伴うことが多く、TFAはマイナスになります。

図 TFA 腹臥位で膝90°屈曲位で評価する
〇生理的下肢アライメントの変化
1.生理的O脚(内反膝)
2歳頃までにみられることが多く。自然に改善することが多い
2.生理的X脚(外反膝)
4~6歳頃にみられることが多く。成長とともに改善することが多い
〇病的変形
1.Blount病
脛骨の内側成長板の異常により、O脚が進行します。保存的に軽快することも多いですが、一部の例では変形が残存し、外科的治療の対象となることもあります。
2.くる病
ビタミンD欠乏などにより骨の形成が不完全となり、O脚やX脚が見られます。

図 ビタミン欠乏性くる病
3.脚長不等
左右の下肢の脚長が異なる脚長不等はさまざまな原因で起きます。代表的なものとして先天的に一側の肥大が起こる片側肥大症、骨系統疾患による片側の成長障害、脛骨列形成不全など先天性の低形成があります。

図 Ollier病による左下肢の成長障害
おわりに
子どもを日頃から見守っている姿に異変が生じた場合、すぐに受診して頂けると良いかと思います。
リハビリでは、あまり関わることが少ないですが、知識を身につけておくことで、リハビリに活かせるようにしていきたいと思います。