こんにちは 理学療法士の小幡です。
今回、「骨粗鬆症(椎体骨折なし)」「椎体骨折の痛みの評価と
保存的治療」について学びました。
〇骨粗鬆症が惹起する腰背部痛
・腰背部痛を有する骨粗鬆症患者は、約85%に上る
〇骨粗鬆性疼痛(腰背部痛含む)の発現機序
・破骨細胞を主体とした骨吸収亢進に端を発した疼痛機序が
考えられている
・骨吸収亢進に伴いpHが低下し、微小酸性環境が生じる
・さらに破骨細胞から産生されるサイトカインも上昇
・骨粗鬆症状態では、椎体内の疼痛関連感覚神経の増加や
後根神経節(dorsal root ganglia:DRG)における炎症性疼痛
の伝達に関与するカルシトニン遺伝関連ペプチド(calcitonin
gene related peptide:CGRP)の発言がいずれも亢進
・持続的な炎症刺激が脊髄後角に変化をもたらす
・骨粗鬆椎体への荷重負荷は椎体内の疼痛に関与する感覚神経を
刺激もしくは傷害し、神経障害性疼痛を惹起している可能性が
ある
〇骨粗鬆性疼痛における薬物療法
・ビスホスホネート
→活性化した破骨細胞を抑制することにより、骨密度改善のみ
ならず、鎮痛作用も有する
・Parathyroid Hormone(PTH)製剤
→骨芽細胞のアポトーシスを部分的に遅らせることによって骨芽
細胞数を増加。
骨芽細胞の活性化を促し骨形成亢進に作用する
・ビタミンD
→ビタミンD受容体は骨格筋で観察され、骨粗鬆症状態では密度
が徐々に低下し、その後筋委縮や脂肪変性が生じる
etc.
〇サルコペニア(筋減弱症)
→ビタミンD受容体の低下に伴い、筋線維の萎縮から結果的に筋量が
低下する
→サルコペニアの女性は非サルコペニアの女性に比較し、骨粗鬆症が
13倍も多く、骨折が3倍多く、転倒が2倍多い
〇脊椎椎体骨折の画像的評価基準
・X線撮影
→立位正面像、側面像、仰臥位側面像、背臥位像を撮影する
・MRI
→側弯合併などの際に正確なX線撮影で適切な側面像が得られない
など判断が困難な場合に有用
〇メカニカルな評価基準
・非荷重期
→寝返りのときに生じる痛みが重要
→認知症の患者、臥位安静にて内科的症状が悪化する可能性のある
患者は、非荷重期間を設けない
・荷重期
→NRS=3程度以下になるようにペインコントロールをして、徐々
にADLを拡大する