理学療法士の小幡です
今回は「TFCC損傷、尺側手根伸筋腱鞘炎」について
学びましたので、まとめていきたいと思います。
☆TFCC(三角線維軟骨複合体)とは
⇒手関節尺側の靭帯・繊維軟骨複合体で、三角線維軟骨
(triangular fibrocartilage:TFC)、
橈尺靭帯(三角靭帯)、尺骨月状骨間靭帯、尺側手根
伸筋腱腱鞘床、メニスカス類似体(meniscus homologue)
で構成される軟部組織。
〇TFCC損傷の症状
⇒尺側手根骨間の不安定性
遠位橈尺関節の不安定性
付随する滑膜炎による手関節尺側部痛
回内外可動域制限
が生じる
〇TFCC損傷の診断
⇒スポーツ歴、受傷機転の聴取
手関節尺屈強制や尺屈強制回外強制によるulnocarpal stress
testでの陽性率が高い
尺骨茎状突起掌尺側に圧痛を認めるfovea signはTFCC小窩部
損傷の陽性率が高い
Ballottement testは橈尺靭帯の損傷の場合に陽性
〇治療法
・保存療法
装具、サポーターなどで手関節を固定し、
局所の安静を図る
保存療法に反応する症例は全体の約76%で、
3か月以内に症状の改善が得られる
・手術療法
鏡視下TFCC部分切除
尺骨短縮術
鏡視下TFCC縫合術
直視下TFCC縫合術
TFCC再建術 などがある
☆尺側手根伸筋(ECU)鞘炎
・分類
① 拘束性ECU腱鞘炎(constrained ECU tendinopathy)
下層腱鞘(subsheath)が断裂せず、ECUが
脱臼しないECU腱症
伸筋支帯と尺骨茎状突起との間で起こる摩擦、絞扼による
ECU腱の変性、炎症
非拘束性に比べ、圧倒的に多い
② 非拘束性ECU腱鞘炎(unconstrained ECU tendinopathy)
下層腱鞘が断裂し、ECU腱が回内外時にクリックとともに
ECU腱溝から掌側へ脱臼するもの
拘束性に比べ頻度は少ない
〇手関節尺側部痛の鑑別に有用な徒手テスト
Carpal supination test ⇒ ECU腱鞘炎
Shake hand test ⇒ TFCC実質部損傷