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はじめに
7/8に行われた院内勉強会に参加しました。
今回は“外反母趾の痛み”についてまとめたいと思います。
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概要
外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指が内側に曲がってしまう病状のことを言います。症状は人それぞれで、中には痛みがある人もいれば、痛みがない人もいます。この病状は、足の親指を支える骨や関節が正しい位置からずれてしまうことが原因となります。
また、外反母趾には進行度があります。軽度のものは痛みも少なく、日常生活に大きな影響はありません。しかし、重度になると痛みが増し、歩行に影響が出ることもあります。そのため、早期の対処が大切です。
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病態
外反母趾の原因を理解するためには、足の骨や関節の働きを理解することが必要です。足の親指は、中足骨と呼ばれる骨と、関節によって支えられています。外反母趾は、この中足骨が内側に曲がり、親指が外側に向かって曲がることで起こります。
また、足の形状や歩き方も影響しています。たとえば、偏平足の人は親指が外側に曲がりやすい傾向があります。足の骨が曲がると、足の形状も変わってしまうので、足の内側が平たくなったり、足が広がったりします。
外反母趾は、骨の位置や形状が変わるだけでなく、足の筋肉や関節も影響を受けます。そのため、治療には、これらすべてを考慮に入れたアプローチが必要です。
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治療とリハビリテーション
1. 非外科的治療:
非外科的治療は、手術を行わずに痛みを和らげるためや病状の進行を遅らせるために行われます。特別に設計された靴やインソールの使用は、足への負担を軽減し、歩行時の痛みを緩和します。また、足指の筋肉を強化するエクササイズも重要な一部です。これは、親指の位置を改善し、足の安定性を高めるためのものです。これらのエクササイズはリハビリテーションの一環として行われ、専門家の指導の下、日常的に行うことが推奨されます。
2. 外科的治療:
外科的治療は、外反母趾が進行してしまった場合や、非外科的治療だけでは改善が見られない場合に選択されます。手術では、親指の骨を直接修正して正しい位置に戻すことで、痛みを軽減し、足の機能を改善します。
手術方法は患者の症状や骨の状態により異なるため、様々な手術療法があり、軽度の変形には遠位部での骨切り術、中等度から高度の変形には近位骨切り術や骨部骨切り術、第1 TMT関節固定術(Lapidus法)などがあります。そのため医師とよく相談して決めることが大切です。
3. リハビリテーション:
リハビリテーションは、非外科的治療と外科的治療の両方で重要な役割を果たします。非外科的治療の場合、リハビリテーションは主に足指の筋肉を強化するエクササイズや、足の安定性を高めるための訓練が含まれます。これにより、足の形状や機能を維持・改善します。
一方、手術後のリハビリテーションは、筋力の回復、関節の可動域を改善するストレッチ、正しい歩行の練習などを行います。これは手術後の足の機能を最大限に引き出し、再び自由に歩けるようにするためです。
これらの治療方法は一人ひとりの状態によって異なるため、専門家と一緒に適切な治療計画を立てることが大切です。
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おわりに
外反母趾は、親指が内側に曲がる状態で、足に痛みを引き起こすことがあります。この状態は、骨や関節の変形により引き起こされます。非外科的治療と外科的治療の二つの主な治療方法があります。
非外科的治療では、特別な靴を履いたり、足趾の筋肉を強化するエクササイズを行うことで、痛みを軽減し、病状の進行を遅らせることが目指されます。外科的治療では、骨や関節を直接修正する手術を行い、足の形状と機能を改善します。
また、リハビリテーションは治療全体を通じて重要な役割を果たします。足趾の筋肉を強化したり、足の安定性を高めるエクササイズは非外科的治療における重要な要素です。一方、手術後には、筋力の回復、関節の可動域を改善するストレッチ、正しい歩行の練習などが行われます。
外反母趾の治療は、個々の症状や生活スタイルに応じて異なるため、医師と相談しながら最適な治療法を選ぶことが重要です。早期に症状を認識し、適切な治療を始めることで、足の痛みを軽減し、生活の質を改善することが可能です。