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クリニックブログ BLOG

院内勉強会「成長期投球障害」

●はじめに

こんにちは、理学療法士の渡邊です。7月22日に行われた院内勉強会に参加しました。
今回のテーマは「成長期投球障害の特徴、診断と治療」についてです。


●成長期投球障害の特徴

 肘の成長期投球障害は一般的に野球肘と呼ばれることが多いです。発症年齢としては成長段階である、小学生高学年~中学生低学年に多いです。成長期の骨と軟骨の移行部は骨化が進行している過程であり、ほかの部位に比べ脆弱です。そのため、繰り返される投球動作によって微小外傷が発生しやすいです。
 発生頻度としては、投球動作において振りかぶる際に、肘の内側が引っ張られることによるストレスが多いため、肘の内側に障害が起こることが多いです。
 症状としては運動時痛がみられ、しびれや脱力、ロッキングなどがみられるときがあります。

 

●成長期投球障害の診断


 前述した通り、発症頻度は内側が多いです。肘の内側に障害がある際は、内側を押さえると疼痛が出現しやすいです。その他の圧痛所見としては、障害がある部位(外側や後方)に出現します。合併症として、肘内側側副靭帯損傷と尺骨神経障害があります。
 肘関節内側痛をきたす障害として、内側上顆裂離、内側上顆の骨端離開(図1)などがあります。上腕骨外側に疼痛をきたす障害として上腕骨小頭離断性骨軟骨炎などがあります。肘関節後方では肘頭骨端線閉鎖不全(図2)や疲労骨折などの肘頭障害があります。

                      図1 内側上顆骨端離開 単純X線像



投球側             非投球側
図2 肘頭骨端線閉鎖不全 単純X線像

●上腕骨内側上顆裂離の診断・治療

 上腕骨内側上顆裂離は、成長期の野球選手に多く、少年野球選手の約20%にみられる。上腕骨内側上顆裂離の症状として、投球時の肘関節内側痛が主であり、遠投時に痛みを強く訴えます。内側上顆裂離は基本的には保存療法を行います。急性期で疼痛が著名で可動が困難な場合はシーネにて固定します。約1~2カ月はノースロー期間を設けます。症状や骨片の大きさ、及び骨の転移の程度を見て、適切な投球禁止期間を設定し、リハビリテーションによる機能訓練を行っていきます。
 投球動作により、肘の内側に負荷がかかります。その際に肘関節の内側側副靭帯に伸長ストレスがかかります。しかし、靭帯の強化は困難なため、上腕骨内側上顆に起始して外反ストレスに拮抗する可動性のある前腕筋の強化を行っていきます。リハビリ内容としてはリストカール(図3)や握力強化などを行っていきます。その他にも投球動作において下肢や体幹も大きく影響します。再発予防のために投球動作自体の指導を行っていく必要があります。


図3  リストカール(手関節掌屈位から中間位で保持するようにする)


●さいごに

今回は成長期投球障害について学び、まとめていきました。
成長期投球障害の症状や好発年齢、病態や治療方法について理解を深めることができました。
成長期投球障害は好発する年齢が若く、活動量の多い年代でもある為、保存療法の際にノースロー期間など運動の休止における肘への負担軽減の重要性を理解していただくことが重要だと考えます。
また、ノースロー期間にもリハビリを行っていきスポーツ復帰の際に再発予防をしていくことも重要だと思いました。

当院では、このような勉強会を定期的に実施しております。今後も患者様のために研鑽していきます。今後の投稿も楽しみにしていてください。