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院内勉強会「子どもの運動と骨粗鬆症予防、骨粗鬆症治療と顎骨壊死」


理学療法士の山形です。
院内勉強会で「子どもの運動と骨粗鬆症予防、骨粗鬆症治療と顎骨壊死」について学んだため順に報告します。



はじめに


子どもの頃にしっかりと運動することは骨密度を高めるために大切なことの1つである。
発育期から楽しく運動できる環境をつくり、未来の高齢者となる子どもたちが健康でいられるようにサポートすることが求められる。

超高齢社会で骨粗鬆症を予防する意義


超高齢社会に突入した日本の2019年の平均寿命は、男性:81,41歳、女性:87,45歳であり、健康寿命は、男性:72,68歳、女性:75,38歳となっている。

平均寿命と健康寿命との間には不健康な期間があり、男女差をみると、およそ男性9年、女性12年と女性が長く、特に骨粗鬆症が女性に圧倒的に多いことを考えると骨粗鬆症を予防することは重要なことである。

子どもの時から骨粗鬆症予防を考える

日本骨粗鬆症学会のガイドラインには「栄養が充足されている場合、少なくとも18歳以前の強度のある運動を行うことが、骨粗鬆症の発症予防に最も効果的である」と述べられている。
また国際骨粗鬆症財団は子どもたちが少なくとも1日40分以上、ダンス・スキップ・ラン・ウォーキングなどの荷重刺激を与える運動をすることを勧めている。

骨密度が保たれている例

1964年の東京オリンピックに出場した選手の52年後の骨密度を測定したデータによると男性は平均76.1歳、若年成人比104.8%、女性は平均74.0歳、若年成人比96.5%であり、正常値の80%以上となっている。

オリンピック選手ともなれば若い頃から運動を行っていることが推測でき、現役時の種目特性を引きずっていることが示唆される。
因みに、体重移動に衝撃荷重を伴わない種目の選手では骨密度の高い人は少なかった。

骨粗鬆症治療と顎骨壊死について

骨粗鬆症治療において、有害事象である顎骨壊死の対策は大きな課題である。

顎骨壊死は簡単に説明すると骨吸収抑制薬のビスホスホネート薬やデノスマブを使用時に特に抜歯をするとその部分から感染し顎骨が溶けてしまうもので、なぜなるのか原因ははっきりと分かっていない。
特に歯の衛生不良や糖尿病の人がなりやすい。
発生率は0.01%以下だそうです。

顎骨壊死の予防・治療のために必須なこと

骨粗鬆症治療を行う医師、口腔管理を行う歯科医師・口腔外科医、薬の管理指導を行う薬剤師、3師間の「医歯薬連携」が必須である。

当院でも医歯薬連携は行っており、骨粗鬆症治療前に歯医者に紹介状を出し2、3ヶ月に1回クリーニングしてもらい、歯の衛生管理を行ってもらっている。

顎骨壊死専門外来を開設されているところでは、全患者に対して骨吸収抑制薬を休薬することなく侵襲的歯科治療を安全に行うことができたとの報告がある。

おわりに

子どもの運動に関して、運動を指導する側の配慮がとても大切であることを知り、リハビリでの運動指導でも気を付けていきたいと思いました。
当院では骨粗鬆症治療を行っている患者さんが多いため、顎骨壊死に関しては知識としてしっかりと頭に入れておきたいと思います。

当院では、このような勉強会を定期的に実施しております。今後も患者さんのために研鑽していきます。
今後の投稿も楽しみにしていてください。