放射線技師の武田です。
1/26の院内勉強会に参加しました。”外来でよく診る手外科疾患”について勉強しました。
今回は特に頻度が高いドケルバン病、上腕骨外側上顆炎、ガングリオンについてまとめたいと思います。
☆ドケルバン病
〇橈骨茎状突起部の第1背側区画における短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の狭窄性腱鞘炎である(図1)
⇓
「手首が痛い」と来院する患者がほとんど
〇橈骨茎状突起部の疼痛、局所に圧痛、腫脹を認める
〇患者に母指を示指~小指で握らせて手関節を他動尺屈させることで疼痛が誘発される
⇒ Eichhoff test(図2)
図2 ドケルバン病の誘発テスト
上(a) : Eichhoff test
中(b) : Finkelstein test
下(c) : Brunelli test
〇超音波検査が有用
⇒腱鞘の肥厚と腱の腫大を認める
〇治療としては腱鞘内ステロイド注射が有効
⇒約50%は疼痛改善
☆上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
〇短橈側手根伸筋腱(ECRB)の付着部の炎症である
〇発症年齢は中高年齢層に多くみられる
⇒腱付着部の退行性変化も発症に関わっている
〇診断では発症に関連する上肢の使用状況を明らかにする
⇒重労働などの職業や上肢を酷使するスポーツを行っていないかなど…
〇肘関節単純X線検査では一般的に異常所見なし
⇒稀に石灰化がみられる
〇理学的所見で疼痛誘発テストは Thomsen test(トムセンテスト)が陽性となる例が多い(図3)
・手関節背屈時に抵抗を加えて疼痛を誘発する
〇治療としては腱鞘内ステロイド注射が有効
⇒日常生活での動作改善も重要
☆ガングリオン
〇中にゼリー状の物質の詰まった腫瘤である
⇒手の軟部腫瘤のなかで最も頻度が高い
〇通常は無症状なことが多い
⇒神経を圧迫して、シビレや痛み、運動麻痺などを起こす場合もある
〇好発部位
・手関節背側
・掌側の橈骨動脈付近
・掌側のMP関節付近 ⇒ 中指掌側に多く発生
・境界明瞭で嚢腫壁の薄い低エコー腫瘤を認める
・低エコー腫瘤の深部に後方エコー増強を認める
〇臨床的な好発部位であれば、穿刺してガングリオン内容を確認する