こんにちは。理学療法士の小幡です。
先日、院内にて勉強会がありましたので、
まとめていきます。
今回のテーマは「生活習慣病と骨粗鬆症について」です。
☆生活習慣病関連骨粗鬆症をきたす疾患
①Ⅱ型糖尿病(Ⅱ型DM)
・コラーゲンの生理的形成が低形成
・AGEs(advanced glycation end products:終末糖化産物)
架橋が増加
⇒骨強度の低下
・骨芽細胞機能の抑制
⇒骨代謝が低下
・HbA1c7.5%以上は7.5未満と比較し、骨折リスクが高い
・HbA1cが高いほど骨折リスクが高い
・インスリンの使用は大腿骨近位部骨折の
因子である。
②慢性腎臓病
・CKD(chronic kidney disease)ステージG3
[推定糸球体濾過量、estimated glomerular filtration
rate(eGFR)30-59mL/min/1.73㎡]の腎障害でも骨折
のリスクが高まる。
・65歳を超える男性ではCKDステージG3a(eGFR)45-59)
から骨粗鬆症骨折リスクが有意に高まる。
③慢性閉塞性肺疾患
・COPDの重症度が高いほど骨密度が低いとの報告が多い。
・形態椎体骨折有病率は24~63%で、胸椎骨折が多く、
男性でもリスクが増大する。
・COPD日本人男性での検討では携帯椎体骨折を79.4%
に認める。
☆生活習慣病関連骨粗鬆症の管理
・生活習慣病自体の是正による骨粗鬆症の改善効果が期待
されているが、これのみで骨折リスクを早期に低減できる
とは考えにくく、骨粗鬆症薬物治療が必要である。
・Ⅱ型糖尿病における薬物治療開始基準
⇒脆弱性骨折がない場合、罹患歴が長く HbA1cが7.5%
以上と高値でインスリンを必要とするような糖尿病の
存在を、骨密度が骨粗鬆症域となる前[young adult
mean(YAM)の80%未満]での薬物治療開始の判断材料
とすることが提案されている
・CKD、COPDにおける薬物治療開始基準
⇒現時点(2017年)では原発性骨粗鬆症に準じる
☆骨粗鬆症骨折の種類
・骨粗鬆症性骨折は軽微な外力で発生した骨折と定義される
※軽微な外力=立った姿勢からの転倒かそれ以下の外力
・骨粗鬆症の診断基準で定義される骨折部位
⇒脊椎椎体骨折、大腿骨近位部骨折のほか、肋骨、骨盤
(恥骨、坐骨、仙骨を含む)、上腕骨近位部、橈骨
遠位端、下腿骨に限られる。