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院内勉強会 「足の変形をどう診る?」

こんにちは。理学療法士の佐野です。
5/2に院内勉強会が行われ、その内容をここにまとめていきたいと思います。
今回のテーマは「足の変形をどう診る?」です!

はじめに

 足部は27個の骨、28の関節からなる骨の複合体です。人体の中でも最も末梢に存在することで、血流が悪くなりやすく、立位時で全荷重を受けなければならず、靴の刺激や外傷が起こりやすいなど過酷な環境にあります。代表的な疾患例でいえば外反母趾、進行性扁平足(PCFD ※直訳では進行性崩壊性足変形ともいう)、変形性足関節症(足関節OA)などが挙げられます。どれも整形外科では珍しくない疾患であり、日常生活への影響も大きいものとなります。今回は足の構造を理解しつつ外反母趾、進行性扁平足にフォーカスを当てて解説していきます。

足部の構造とについて

 足部は先に述べたように、複数の骨と関節が存在しています。更に足部にはアーチ構造というものがあり、地面からの衝撃吸収を行うといった重要な役割があります。アーチは内、外側縦アーチ、横アーチの三種類が存在します。(図1参照)


   図1 足部のアーチ構造

外反母趾がどのような影響を及ぼすのか

 外反母趾はその文字の通り、足の親指が外側に向いてしまう状態のことです。(図2)
 原因としては加齢、日常生活での負担、そして靴の影響が大きいとされています。実は昔は外反母趾の人は非常に少なく珍しいものでした。西洋の文化が取り入れられるにつれ、ヒールや足幅の狭い靴を履くことが多くなり、足趾にかかる負担が大きくなるにつれ罹患率も上昇していきました。外反母趾が進行すると関節の亜脱臼が起こり横アーチの崩壊につながります。
 日常生活では足の親指側に体重を乗せるのが難しくなり、小指側に荷重バランスの偏りが起こり、扁平足になりやすくなります。また痛みに関しては変形し、靴などの擦れが起こりやすい中足骨の部分に起こりやすいです。

      図2 外反母趾

どんな治療がある?

 外反母趾では母趾外転筋といった指を外に開く力が弱くなりやすいです。ゴムバンドなどを使って親指を外に動かすトレーニング、インソールなどの装具が治療として用いられます。また荷重バランスの偏り防止のため体幹筋のトレーニングを行うこともあります。投薬に関しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用して疼痛のコントロールを行うのが通例となっています。一度外反母趾になってしまうと形態的な部分での変化は見込めないので、いかに負担を減らすかにフォーカスが当てられます。

進行性扁平足とはどういうものなのか?

 進行性扁平足は足部の縦アーチが低下もしくは消失し、足底が平らになる状態のことを指し、歩行や姿勢に大きく影響を及ぼす疾患になります。(図3)
 発症原因としては後脛骨筋腱機能不全が最も多く他には関節リウマチ、OAなどが挙げられます。後脛骨筋は足部の広い部分に繋がっており、アーチ形成だけでなく動的部分でも重要な役割を持つ筋肉となります。(図4)
 後脛骨筋腱機能不全の要因としては様々あり、加齢による腱の退行性変化、慢性的な負荷や微小外傷、肥満や高血圧、糖尿病といったものが関与しています。中高年女性に多く、局所的な疾患ではなく、全身の健康状態とも密接な関係があるといわれています。
 症状が進行した例では、too many toes sigh(図5)といった肉眼でもわかる変化が出てきます。しかし扁平足があるからといって必ずしも疼痛が出現するというわけではありません。治療対象としてはあくまで疼痛の訴えがあり、日常生活に影響を及ぼすものに限ります。


    図3 進行性扁平足       図4 後脛骨筋


     図5 too many toes sign


どんな治療がある?

 進行性扁平足に関しても外反母趾と似ており、疼痛コントロールを目的とした消炎鎮痛薬、NSAIDs外用薬などの投薬。インソールや短下肢装具(AFO)を用いてアーチサポートを行い、症状の緩和を図るものになります。進行性扁平足も形態的な変化というよりいかに負担を減らすかにフォーカスが当てられます。症状の進行が初期の状態であればリハビリテーションでの筋力トレーニングやストレッチも有効とされています。
 後脛骨筋の筋力トレーニングとして一番手軽に行えるのはカーフレイズ(踵上げ運動)です。後脛骨筋だけでなく第二の心臓ともいわれるふくらはぎの筋肉も一緒に鍛えることができるので非常におすすめです。

最後に

 今回は「足の変形をどう見る?」をテーマに外反母趾や進行性扁平足について学びました。どちらも整形外科ではみる機会が多く誰にでも起こりうる疾患です。どちらも見た目的な変化が起こり、心身ともにストレスを感じることもあると思います。今回の勉強会を通して、症状の進行具合に合わせて適切な治療を行うことができれば、日常生活での影響を少なくできると感じました。また覚えていてほしいのは見た目の変化が必ずしも痛みにつながるわけではありません。当院でも外反母趾、扁平足になっているが痛みの訴えがない方もたくさんいます。もし痛みが出て日常生活に困ることがあるなら早めに受診をお願いします。

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