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院内勉強会「体幹コンディショニングの最前線~joint by joint theoryに基づくコンディショニング~」

●はじめに

こんにちは。

理学療法士の後藤です。

8月20日に院内勉強会を開催しました。

今回のテーマは「体幹コンディショニングの最前線~joint by joint theoryに基づくコンディショニング~」です。



コンディショニングとは


コンディショニングは、パフォーマンスの向上や障害発生の予防を目的に実施される。

アメリカの理学療法士であるGray Cookはパフォーマンスピラミッドの概念を提唱している。

アスリートが高いパフォーマンスを発揮するためには、

3段のピラミッドが安定して積み上がっていることが重要であるという考え方である。

全ての基盤となるfunctional movementでは、mobility(可動性)stability(安定性)といった基本的な機能が関連する。

パフォーマンスの向上、障害発生の予防には、ピラミッドの基盤に当たる可動性と安定性が重要視される。

 joint by joint theoryの概念


各関節は可動性または安定性のどちらかを主要な機能として有する。それは交互に積み重なっているという概念である。

障害発生の観点から考えると、機能不全が生じた関節のみに傷害が発生するわけではなく、機能不全が生じた関節と隣接する上位・下位の関節で傷害が発生する可能性がある。

例え
腰痛では腰椎の安定性を主要な機能とし、core stability低下といった機能不全が生じることで腰痛発生に至る。
腰椎の上位関節に当たる胸椎や下位関節に当たる股関節は可動性を主要な機能とする。
胸椎や股関節の柔軟性低下や可動性低下といった機能不全が生じると、腰椎が可動性を代償しようとすることで安定性が低下し、腰痛発生に至る。また、逆に腰椎の可動性が低下することで腰痛発生に至る場合もある。


joint by joint theoryに基づくコンディショニング


Mobility before Stability」という概念に基づいてアプローチを行なっていく。tightnessstiffness、アライメント不良などによる可動性低下が残存した状態での安定性改善とするエクササイズは身体にとって悪影響を及ぼす。

また可動性低下と安定性低下の両方の機能不全が生じている状態では、可動性低下の影響の方が勝る。

よって、安定性獲得よりも可動性獲得を優先したアプローチが求められる。

コンディショニングを行なっていく上では、初めに可動性に対するアプローチを行い、可動性が獲得された上で安定性に対するアプローチへ移行していく。

さらには、獲得された可動性と安定性を協調的に使用した状態での獲得へつなげていく。

ここからは実際にストレッチや安定性向上のトレーニングを紹介していきます。
下記の写真を見ながら真似してその姿勢を5〜10秒程度(ストレッチは30秒ほど)キープ✖️2〜3セット行います。
皆様もぜひチャレンジしてみてください。 


胸椎・胸郭のストレッチ





股関節のストレッチ




●体幹安定性向上トレーニング





最後にセルフコンディショニング


パフォーマンスピラミットの概念で述べたように、可動性低下や安定性低下といった機能不全はパフォーマンス低下だけでなく、傷害の発生に関わる重要な問題点です。

この可動性や安定性の低下といった機能不全は、スポーツを行うことによる筋の疲労や柔軟性の低下、スポーツ競技特有の動作パターンの繰り返しによるアライメント不良によって引き起こされることがあります。

よって傷害発生を防ぐために、個人がセルフコンディショニングに対する意識を持ち、実践できるかどうかが需要です。