〒470-0207 
愛知県みよし市福谷町壱丁田1番地1

【受付】8:30-12:00/15:40-18:30
【休診日】木曜午後、土曜午後、日曜日

クリニックブログ BLOG

院内勉強会「アキレス腱断裂」

●はじめに

こんにちは、理学療法士の後藤です。

6/24に行われた院内勉強会に参加しました。

今回は“アキレス腱断裂”についてまとめたいと思います。


●アキレス腱断裂

・好発年齢
30~40歳代および50歳代以上との報告もあるが、年齢別の発生をみると20歳と28歳に高頻度にみられる。
10代から発生し、年齢や競技レベルに関係なく幅広く発生する。

・受傷機転
受傷時のエピソードがはっきりしているケースが多い。
ジャンプ動作、踏み込み動作、バックステップ動作時などの瞬発系の動作において下腿三頭筋筋力(ふくらはぎの筋肉)を急激に発揮した際に発生する。

断裂時は、後ろから蹴られたような感じ、バットで叩かれたような感じ、などの表現やpop音の自覚を聴取できることが多い

●保存療法

  • 安静、薬物療法:運動の一時中止、負荷の軽減、外用消炎剤の塗布、炎症が強い場合は消炎鎮痛剤の経口投与
  • 装具療法:足底挿板、アーチサポートの使用、外固定を行う。少なくとも2~3か月間行う。
  • 運動療法:Excentric loading exerciseが有用である。
  • 注射療法
  • 体外衝撃波療法


保存療法は、今まで手術療法より再断裂率が高いと報告されてきたが、早期運動療法を併用することにより、再断裂率は手術療法と同等になった。


その他の臨床成績も手術療法と差はなく、アキレス腱断裂の治療において保存療法は標準的な治療といえる。

腱の修復過程において安静にする時期と積極的にリハビリテーション治療を行う時期の違いを理解し、治療経過中の腱延長を最小限に留めることが重要である。


●手術療法

  • 経皮的腱切り
  • 足底筋腱切除とアキレス腱周囲組織切除
  • 変性部の切除と腱の修復または再建


アキレス腱断裂に対してエコー検査を行い、足関節底屈時にも断端が接しない場合に直視下縫合術を行うことが多い。


手術は伏臥位で駆血帯を用い、直視下にBunnel法とKessler法や結節縫合の組み合わせで端々縫合術を行う。


術後は足関節を底屈位として膝下ギプスによる2週間の外固定の後、ヒール高を調節できる歩行用装具を使用。

ヒール高は5〜6cmの高さから開始して6週間かけて週に1cmずつ下げ、術後10週間で装具を除去していく。装具装着下では全荷重を許可ことが多い。


足関節の運動は非荷重下においてギプス除去時から行っていく。

装具除去後の歩行はゆっくりと歩幅を小さめから数ヶ月かけて徐々に拡大していく。速歩は術後4ヵ月以降とし、5ヵ月でジョギングを許可、本格的なスポーツ活動は6ヵ月以降と段階的に運動負荷増強を許可し、急激な負荷を抑制して再断裂を予防を図ることが多い。

●さいごに

今回の勉強会では、アキレス腱断裂の保存療法、手術療法やUSの実施方法について学びました。アキレス腱断裂のリハビリ行う際の治療に活かし、患者様の身体能力を最大限高めていけるように繋げていきたいと思います。

当院では、このような勉強会を定期的に実施しております。今後も患者様のために研鑽していきます。
今後の投稿も楽しみにしていてください。