こんにちは。理学療法士の小幡です
先日、愛知県安城市の松井整形外科にて行われた勉強会に
参加してきました。
テーマは「PNFによる腰痛治療最前線」で、学んだことを以下に
まとめさせていただきます。
〇現代人と腰痛
・平成22年度国勢調査による性・年齢別人口比率を用いて
計算すると、我が国の40歳以上の人口のうち腰痛を有する人は
2770万人(男性1210万人、女性1560万人)と推定。(有病率38%)
・福島県立医科大学の紺野愼一教授によれば、腰痛には
ストレスが関わっており、脳の機能変化が痛み引き起こす
という。
すなわち、心理的な側面からも腰痛をとらえなければならない
ことが示唆された。
〇腰痛を治療する際に何を考えるか
・炎症を伴う急性期腰痛(ぎっくり腰、外傷による腰痛など)
⇒炎症除去、疼痛コントロール
・姿勢、生活習慣などが関係する腰痛(慢性腰痛、筋・筋膜性
腰痛など)⇒筋の柔軟性と筋力
・腰椎、骨盤、坐骨神経などが関わる腰痛(脊柱管狭窄症、
椎間板ヘルニアなど)⇒アライメント、血行
・妊娠・出産が関係する腰痛(仙腸関節痛など)
⇒骨盤アライメントと骨盤底筋、産婦人科との連携
〇腰痛治療の際に大事なキーワード
⇒「協調性(Coordination)」
・Intra-muscular coordination
(単一筋の協調性=求心性、遠心性、静止性収縮ができるか)
・Inter-muscular coordination
(筋間の協調性=動筋/拮抗筋、近位筋/遠位筋)
・Skill=上手くできるか
〇筋間の協調性(Inter-muscular coordination)
・腹筋と背筋のバランス
・左右のバランス
・表層筋と深部筋のバランス
〇PNFとは
P=Propriceptive 固有受容性
・固有受容感覚
=自分自身の感覚。目で見なくても
身体部位の位置や動きを認識できる=深部感覚
・それ以外にも、筋感覚、ボディ・イメージなども
固有感覚といえる
N=Neurouscular 神経―筋
・セラピストが改善できるポイントは、筋
F=Facilitation 促通
〇固有受容器について
① 関節位置および四肢または体幹の動きなどの
感覚(kinesthetic sense)
② 努力感、筋張力、重量など筋出力に関連した
感覚(sense of effort)
③ 筋収縮のタイミングに関する感覚
④ 姿勢および身体図式の大きさの感覚
〇PNF Philosophy
1.ポジティブ・アプローチ
2.機能的アプローチ
3.集中的トレーニングにより潜在能力を得る
4.全体像を見る
5.モーターコントロールと運動学習の利用
PNFの哲学が盛り込まれた実技も多く、臨床につながり
やすい内容でした。
また治療に役立てていきたいと思います。
ありがとうございました。