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クリニックブログ BLOG

院内勉強会「体幹装具」

院内勉強会を行ったため、報告します。

【体幹装具】
●目的と長所・短所
目的は、主に体幹の運動制限、脊柱の姿勢矯正・維持。

体幹の固定としては、体幹ギプスが最も優れている。
しかし、蒸れや皮膚障害などが問題となる。
一方で体幹装具は、着脱ができ、締め具合を自己調整できる。
しかし、その裏返しで容易に着脱・調整できるために医師の指示を
守らなければ期待された治療効果は得られないという短所もある。

●種類
○軟性装具
<ダーメン型>
メッシュ状になった厚手の布をベースに支柱を入れたもの。
腹腔内圧を上昇させることにより脊柱を安定化し、周囲筋
への負担を軽減する。
通気性は良好で装着も容易だが、固定力は劣る。

<簡易型>
一般的に販売されているものなどをいい、型取りせずに
すぐに着用できる。着用しながら労働やスポーツ活動が可能。
しかし、固定力は劣る。

○硬性装具
脊椎骨折や初期分離症など強固に外固定して骨癒合を
目指す際に用いる。

<モールド型>
型取りをして、熱可塑性樹脂でそれぞれの体幹の形に
合わせて前面接触式で作製されるため、固定性は高い。
腹圧上昇させ脊柱を安定させる軟性装具とは異なり、
その剛性により脊柱を安定化させる。
しかし、蒸れや皮膚障害などが問題となることが多い。

<フレーム型>
体幹の輪郭に合わせて金属フレームを組み合わせることで
体幹運動を制限し、強固に外固定することができる。
通気性は良好だが、接触部で皮膚障害が生じる可能性がある。

その他にも、3点固定により胸腰椎の前屈を主に制限する
ジュエット型や前面は軟性素材で背面が熱可塑性樹脂や金属を
使用した半硬性装具などがある。

●装具療法の注意点
①目的を理解すること
②正しく装着できること
③自己管理ができること
④サイズがあっていること
⑤障害が起こらないこと
⑥体幹筋萎縮の程度

●スポーツ選手の腰椎分離症に対する装具療法
発育期に好発する疲労骨折であり、初期、進行期、終末期に分類される。
病期に応じて治療法が選択され、骨癒合を目指す保存療法と骨癒合を
断念して疼痛管理に主眼を置きスポーツ復帰を目指す保存療法がある。
骨の発達状況によって小学生から中学生にかけて椎体がズレてしまう
すべり症を併発してしまう可能性が80%と高いため、負担を軽減する
ことが重要となる。

●高齢者の椎体骨折に対する装具療法
骨粗鬆症性による椎体骨折が増加している。早期より治療を行わなければ
偽関節による疼痛の遺残や脊椎変形などを併発する可能性があるため、早期
より安静と外固定による保存療法が必要である。

【足底装具】
足部・足関節疾患は装具を選択することが多い。足底部の荷重分散や
アライメントの改善など変形や疼痛に対して有効な治療法である。
病態は、モートン病、外反母趾、扁平足変形など様々である。
同一疾患に対する治療においても、変形の程度や可撓性によって
装具の形状や素材を選択することが大切である。