●はじめに
こんにちは、理学療法士の秋葉です。9月2日に行われた院内勉強会に参加しました。
今回のテーマは〈足部および足関節の疲労骨折の痛み診療〉についてです。
●疲労骨折とは?
疲労骨折とは、軽微な外力が繰り返し骨に加わり、骨吸収と骨形成のバランスが崩れることで生じる骨折です。栄養不足・骨粗鬆症・カルシウム不足などの内的な要因も関係するといわれています。足部・足関節は体重や地面からの反発力がかかり続けるため、疲労骨折の多発部位となっています
疲労骨折の早期においては、運動時・運動後のみ違和感や痛みをみとめ、日常生活では痛みを感じないことも多いといわれています。つまり、歩行時に痛みを感じなくても疲労骨折を生じている場合があり、運動を中止するなどの安静が必要になる場合があります。
●足部・足関節によくみられる疲労骨折
①足関節内果(内くるぶし)
※サッカー・バスケットボール選手に多くみられる
※内果付近は血流がよく、骨癒合しやすい
②中足骨(足趾を形成する骨の1つ)
※小指の中足骨の付け根・中心の骨折はJones骨折として知られ、
難治性骨折として手術適応になりやすい
※陸上・体操・バレエ選手に多くみられる
③舟状骨(足の甲の中央部分にある骨)
※足の甲や足首全体に痛みを感じることがある
※陸上・バスケットボール・バレーボール選手に多くみられる
※舟状骨は歩行時に他の骨から圧迫を受ける位置にあり、
血流も乏しいため、骨癒合が得られにくい。
●疲労骨折の治療
疲労骨折の治療は、保存療法が基本となります。
骨折の原因となるスポーツや運動動作を休止し、外固定や足底挿板などの装具装着や、免荷(患部に体重をかけないようにすること)などが選択されます。”痛みの出る動作”を中止して安静にし、痛みが生じないように治療を進めることが重要です。
また骨折の原因となる動作を改善させるため、足関節周囲の可動域訓練や筋力増強訓練が必要となります。
保存療法では改善しきらない難治症例や、再発する疲労骨折には手術療法が選択されます。手術をした場合にも、早期のスポーツ復帰や再発予防には筋力増強訓練が必須であるといわれています。
痛みが残存したままのスポーツ・運動の継続は疲労骨折の進行を招き、結果として保存療法から手術療法の必要な病期へと進行し、スポーツからの長期離脱を余技なくされることがあります。
●さいごに
今回は「足部および足関節の疲労骨折の痛み診療」について学び、まとめていきました。
足部・足関節周囲で疲労骨折が好発する部位とその特徴について理解を深めることができました。
また、治療は保存療法が中心となり、走ると痛い時は走らないようにする、足底挿板を使用しないと痛むのであれば必ず使用するようにするなど、痛みが出ないように治療を進めることが重要であることを学びました。
当院では、このような勉強会を定期的に実施しております。今後も患者様のために研鑽していきます。今後の投稿も楽しみにしていてください。