こんにちは。理学療法士の小幡です。
先日、鳥取県米子市の国際ファミリープラザにて
CHIP企画セミナー「臨床最前線 肩関節疾患」に参加させていただきました。
講師は、松戸整形外科病院のPT遊佐 隆 先生でした。
学んできたことをまとめていきたいと思います。
〇肩の特徴
・肩関節:球関節・多軸性
→可動性に優れている>安定性に乏しい
→関節窩に対する上腕骨頭の求心位が重要
→体重50㎏のヒトの6%が上肢の重量といわれる⇒3㎏
・肩関節複合体
「解剖学的関節」
→肩甲上腕関節
→肩鎖関節
→胸鎖関節
→胸肋関節
→肋椎関節
「機能的関節」
→第二肩関節
→烏口鎖骨結合
→健康胸郭関節
・肩は上肢を「吊るす」「動かす」「支える」ことにより、
ADLやダイナミックな動作を行うことができる。
・投球動作
⇒股関節、体幹からのエネルギーが24%減少すると、
同等の力で投げるには、肩のエネルギーを
34%増加させる必要がある
(Kibler and Chandler 1995)
・機能的関節窩について
→肩甲骨が動くことで、関節窩は機能的に拡大し、
動的な安定性に寄与している
・可動性を得るために
他動運動⇒自動運動⇒抵抗運動⇒自立(自律)
運動学習が重要
〇肩の解剖
・三角筋(アウターマッスル)
・腱板(インナーマッスル)
→腱板が働き、上腕骨頭の安定化が図られる。
・肩甲骨は胸郭に浮遊しており、
ショックアブソーバー と フローティング機能による
安定化機構が働く
〇肩の病態
・肩関節と年齢と病態
加齢変化
不安定性―――――――→拘縮
・若い人 ・中高年
・緩いがための愁訴 ・硬いがための愁訴
・肩関節疾患の概要
→炎症性疾患57%
腱板断裂9.9%
・腱板の加齢変性
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腱板の炎症(小断裂、擦過傷)
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肩関節周囲炎
腱板炎、上腕に闘犬長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎など
⇓ ⇓
運動制限などの 炎症の治癒
機能的障害
・Obligate Translation(骨頭の偏位)
→局所的な拘縮が生じると、限界可動域に達する前に
関節包・関節上腕靭帯が過度に緊張することで、骨頭
を反対側に偏位させる力が働いてしまう。
・骨頭の求心位を改善するためには
肩甲骨の位置
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肩甲骨の可動性・安定性
⇓
骨頭の後方、内旋の誘導
※後方への並進移動と回旋
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骨頭の後方、内旋の抵抗
※後方への並進移動と回旋
⇓
求心位での運動拡大
といったことを学び、実技の練習をしてきました。