理学療法士の小幡です
6月19日(日)におんじぃのへや知立店にて、「肩関節に対する基礎知識と治療戦略についての再考」についての
勉強会に参加させていただきました。
流れ
①肩関節を構成する骨の形状、靭帯の理解
②リーチ動作から見る肩関節の動作分析
③片麻痺のクライアントの肩関節の評価・治療戦略の考察
④肩関節の動きを考える上での筋の作用の理解
以下、勉強会の流れに沿って、理解したこと、学んだことをまとめていきたいと思います
①肩関節の解剖について
○肩関節周囲の靭帯
・烏口鎖骨靭帯
・烏口肩峰靭帯
→棘上筋を下方へ押さえ、関節窩へ上腕骨頭を押しつける求心力の増強に関与
・烏口上腕靭帯
外旋位:1st position 伸張し、可動域制限の要因となる
2nd position 伸張し、可動域制限の要因となるが、大胸筋による制限が強い
内旋位:緩む
屈曲・伸展:どちらも可動域制限
・関節上腕靭帯
※これらの靭帯の影響があることを頭に入れておき、靭帯や関節包の影響により、
肩甲上腕関節の動きが悪いのか、肩甲骨周囲筋の筋緊張が高く動きが悪いのかを
考えていく必要があることを学びました。
○Loose packed position
→関節に生じるストレスが最小限となる肢位
関節包や靭帯が緩み、関節面が最も離開している
※肩甲上腕関節の靭帯や関節包の影響を取り除いた状態から評価をしていくと、
何が動きの制限をしているのかが分かりやすくなるとのことでした。
②③リーチ動作から見る肩関節
○リーチ動作
前方:肩甲上腕関節屈曲
側方:肩甲上腕関節外転
後方:肩甲上腕関節伸展 にともなう
― 肩甲帯挙上
― 肩甲上腕関節外旋
― 肘関節伸展
― 前腕回外・回内
― 手関節伸展 を行っている。
○少し遠くのものをとるには
・まっすぐの経路を保ったまま手を動かすためには、体幹の回旋が関節上腕の
左右の外転と肩甲骨の収縮に対抗している(Kaminski,1995)
・上肢長の範囲外にあるものは、肩甲骨の前方突出と股関節、足関節で体幹を
前方に移動する
・口とコップの相対的位置関係によって、空間における手の運動軌跡が決まり、
肩関節と前腕の回旋角度が決まる
○脳卒中患者との比較
・対象物のない無条件の課題よりも、対象物のある有意義な課題を行うときの
方が、優れたパフォーマンスを示す。
― 運動速度が速い
可動域が大きい
運動学的パフォーマンスが良好
※脳卒中患者の動画を見ながら、どのように肩関節が動いているのか考察しました。
④肩関節の動きを考える
○棘上筋・棘下筋
棘上筋:大結節の前方から結節間溝をまたぎ、小結節の後方に停止する
棘下筋:大結節の前方まで至る広範囲
つまり棘上筋が断裂すると棘下筋にも影響が出てきます
また外旋位で外転時には棘上筋が優位となり、内旋位で外転時には
棘下筋が優位になります
○肩甲骨の安定
・肩関節屈曲運動では、角度が増すにつれて肩甲骨の動きが出現するため、
前鋸筋から僧帽筋に変化していく
・外転運動では、前鋸筋の活動はなく僧帽筋が主体
○肩関節周囲炎の肩関節外転
・肩関節下垂位:肩甲骨は肩甲挙筋により挙上、下方回旋
・肩関節外転位:肩甲骨は挙上位のまま、過剰に上方回旋し、肩甲上腕関節は健常より可動せず
つまり、肩甲骨下方回旋=関節窩下方位=肩甲棘が下方
ということなので、肩甲棘の位置を変えれば肩甲骨の位置も変わることが言えます
勉強会を振り返って...
肩甲上腕関節の制限因子、肩甲骨を動かす筋肉、何が肩関節の動きを悪くしているのか
を再確認することができました。
こらからも勉強を続け、治療につなげていけるように頑張りたいと思います。