はじめまして。理学療法士の大岩です。
今回は6/16に“扁平足”についての勉強会が開催されました。今回は扁平足の原因の中でも多く見られる後脛骨筋腱機能不全についてまとめていきたいと思います。
“扁平足”という言葉は良く耳にします。近年は子どもからお年寄りまで幅広い世代で問題になってきているのが現状です。
扁平足とはなんでしょう?
足部はたくさんの骨と筋肉、靭帯で構成されています。そして基本的には3つのアーチ形成が見られます。
扁平足とは上記の内側縦アーチつまり土踏まずの部分が落ち込んでしまう状態のことです。
扁平足はなぜ生じるのでしょう?
生まれつきなのか、それとも大人になって生じてくるものなのか・・・・
扁平足の原因はさまざま
★生まれつき
人は生まれた時は、足底に脂肪がついているのでほとんどアーチがない状態で生まれてきます。しかし、歩くことにより筋肉が発達 しアーチが形成されていきます。ほとんどが8歳くらいまでアーチ形成されますが、現代は裸足で遊んだり、遊びの幅が狭まって足指や足の筋力が強化されない事に より、アーチ形成が上手く行われないまま成長してしまう子どもが増えています。
★筋肉の問題
内側縦アーチを作るのに重要な役割をしている筋肉(後脛骨筋)の機能が低下してしまっている
★加齢による骨の変形や関節リウマチ、麻痺等の病気によるもの
骨の変形や、関節の破壊により生じてくるもの 麻痺で筋肉の機能が発揮されない
★捻挫や骨折
ケガによる、筋・靭帯・骨の損傷がきっかけで生じるもの
★合わない靴や高いヒールを履き続けるなど足への過負荷
無理を強いたことにより足部の筋バランスが不釣り合いになり生じる
上記の原因の中で、今回は
筋肉の問題“後脛骨筋腱機能不全症”についてまとめていきたいと思います。
まず、後脛骨筋は 脛骨、腓骨の後ろ面から足の内側から足底までついています。
働きは、足首を下に向けて動かして、やや内側に足先を動かします。この筋肉は、足の内側縦アーチの形成に重要な筋肉です。
後脛骨筋腱機能不全症
後脛骨筋の機能が低下すると、足の骨(距骨頭)を支持できずに扁平足障害をきたします。
治療は病期によってことなります。
Stage1,2→保存療法が中心。場合によっては後脛骨筋腱の再建を行う。 また扁平足変形が強い場合は踵骨内側移動骨切り術や外側支柱延長術を行う。
Stage3,4→距舟関節および距骨下関節を固定する二関節固定や踵立方関節まで固定する三関節固定術など行い改善を図る。
扁平足の評価
まず見た目や動きのチェックをします。
★内くるぶしの位置が下に落ちていないか
★Too many toes sing
足先が外側に向いてしまう。後方から足部を観察すると扁平足側は指がたくさん見える状態になることが多いとされています。
★Single heel rise test
片足立ちをしてそのまま踵上げをします。後脛骨筋が上手く働いていないと踵が上がらなかったり、踵が外側を向いて上がってしまいます。
そのほかレントゲンなどでチェックをしていきます。
扁平足になると、バランス能力の低下、足底にかかる荷重の分散が上手く行えず他人より疲労感が強く現れたり、外反母趾やタコができたりします。 足部の問題は、ほっておくと膝・腰・肩・頚すべてに影響を与え、痛みを生じる原因となってきます。
当院では、院長先生によるアーチパッドの処方やインソールの相談、理学療法士による運動療法等の治療で疼痛の改善を行っています。扁平足でお悩みの方がいたら、一度当院へご相談ください。
理学療法士 大岩