こんにちは。PTの山内です。

整形外科において関節炎の話は大切にされますが、何が原因で引き起こされてるのか?という判断は難しいものです。

それが関節リウマチによるものなのか?それ以外の理由なのか?

先日の院内勉強会で「関節リウマチと鑑別すべき疾患」がありましたのでその報告をしようと思います。

 

①関節リウマチと脊椎関節炎との鑑別

②関節リウマチと全身性結合組織病との鑑別

大まかにこの2つに分けてお話していきます。

 

説明に入る前に、関節リウマチの大まかな病態にについてお話します。

関節リウマチは分解酵素過剰と破骨細胞の増殖、それらの活性化は軟骨破壊と骨破壊に繋がるため、関節が変形することに繋がります。

 

②関節リウマチと脊椎関節炎との鑑別

脊椎関節炎の特徴

1 仙腸関節炎及び炎症腰背部痛

2 末梢関節炎

3 腱、靭帯の付着部炎

4 血清リウマチ因子陰性

5 指趾炎

6 HLAB27が陽性

7 関節外症状(ぶどう膜炎・乾癬・炎症性腸疾患)

 

脊椎関節炎の中に強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、掌膿疱性骨関節炎があります。

 

強直性脊椎炎は通常の腰痛とは違い、「安静で痛み悪化、運動で改善」する症状が主訴に置かれ、脊椎・仙腸関節の靭帯棘形成・強直によって脊柱の可動性が大きく制限される疾患です。

 

乾癬性関節炎は炎症角化症の代表疾患である乾癬を主症状に関節炎や脊椎関節炎、指趾炎、付着部炎が伴う病態です。

 

反応性関節炎はクラミジア、サルモネラ、赤痢菌、カンピロバクターなどの先行感染によって尿道炎もしくは子宮頸管炎後の6週以内に結膜炎や関節炎、腱付着部炎、皮膚粘膜障害が出現します。

 

炎症性腸疾患関連関節炎は潰瘍性大腸炎やクーロン病に伴って関節炎・脊椎炎、仙腸関節炎が出現します。

 

ここで言えることは関節炎が出現していても何によって引き起こされているのか、何が主症状なのか、画像所見ではどうなっているかで診断される病名も治療も違ってきます。

 

③関節リウマチと全身性結合組織病の鑑別

全身性結合エリテマトーデスは全身性の自己免疫疾患であり、20から40歳女性に好発します。蝶形紅斑、ディスコイド疹、日光過敏等の皮膚・粘膜症状を引き起こします、8割から9割の割合で関節炎は起こりますが、骨破壊を伴う関節リウマチとは違い骨破壊は起きないがJaccoud変形を伴う。

多発性筋炎、皮膚筋炎

近位筋、頸部筋の横紋筋炎症をきたす慢性炎症性疾患です。皮疹を伴わないものは多発性筋炎、皮疹を伴うものを皮膚筋炎と言います。筋力低下を引き起こすため、嚥下障害や構音障害をきたすこともある。皮疹は上眼瞼にヘリオトロープ疹、関節背側面にゴットロン徴候などの症状が出現します。

強皮症は皮膚が硬化する全身性結合組織病です。皮膚が硬くなり、色素沈着、毛細血管拡張、石灰沈着をきたしたり、爪上皮延長・出血点、指尖部潰瘍や壊疽が出現します。

混合性結合組織病

全身性結合エリテマトーデス、筋炎、強皮症等の症状が合わさったような症状が出て、レイノー症状やソーセージ様の指炎などがでます。

 

シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺にリンパ球浸潤し、ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状をきたす疾患です。関節リウマチと合併することがあります。

血管炎症候群は血管壁に炎症をきたす疾患で、膠原病や感染症、薬剤、炎症性腸疾患、腫瘍によって引き起こされることもあります。高熱による全身倦怠感、血管障害を引き起こし出血や虚血状態になるため多臓器症状もあります。リベドー皮疹や皮膚潰瘍をともうこともあります。関節炎や筋痛は伴うが、関節破壊や変形は稀である。

 

リウマチ熱はA群レンサ球菌感染の数週間後に心臓や関節などに炎症をきたす非化膿性炎症性疾患です。

 

サルコイドーシスは非乾酪性類上皮肉芽腫の形成を特徴としちら原因不明の全身性多臓器疾患です。急性では発熱に伴い大中関節に関節炎がありますが、数週間で軽快することが多い。

 

ベーチェット病は再発性アフタ性潰瘍、皮膚病変、外陰部潰瘍、眼病変を4大主症状とする原因不明の炎症性疾患です。関節炎が初発症状であることもあります。

 

以上のことから関節炎の症状は共通であっても病名によって何が原因で出現しているのかは違ってきます。そのため関節炎だけに捉われず、問診、皮膚状態、画像初見等様々な評価が必要になります。その評価次第で生活の仕方や治療方法も変わっていくので、ちょっとした違いを把握すると良いと感じました。

 

以上、院内勉強会の報告を終わります。

長々としていますが、読んでくださって誠にありがとうございます。

学んだことを貢献に活かしていきます。