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クリニックブログ BLOG

院内勉強会「末梢神経障害」

こんにちは
理学療法士の森田です。
先日、院内勉強会が行われましたので報告します。

足関節・足部に分布する末梢神経は、
深・浅腓骨神経、脛骨神経、腓腹神経、伏在神経
が存在し、そのうち伏在神経のみ大腿神経由来。
その他は、坐骨神経由来である。

神経障害は、まれであるが要因として
解剖学的な問題
反復性の刺激
外傷後など医原性

また全身的な要因として
代謝、内分泌、薬物などが機能不全に関与。

神経の障害では、初期に痛み、間欠的な異常感覚
として生じ、刺すような、灼けるような表現をされ、
痛みは安静時にも出現することがある。
持続的な神経への圧迫が続けば継続的な痛み、シビレとなり
時に中枢・末梢に放散する。

<morton病>
・病態
前足部の荷重によって総底側趾神経が刺激され、
時間の経過とともに神経の線維化、萎縮、血管の
変化をきたす。MTP関節レベルの趾間部底側部や
足趾にかけて繰り返しの刺激により偽神経腫を形成し、
慢性に経過することが多い。

前足部に繰り返しの力のかかる運動やヒールの
高い靴を用いることは重要な発症要因と考えら
れるが、神経が直接に圧迫されるというよりは、
牽引されて横中足靱帯に押し付けられることが
問題と考えられている。
開張足ではそれが大きく生じやすくなる。
また、扁平足と同時に生じることが多い。

・好発年齢、部位
中年の女性に多く、思春期の発症もある。
特に第3.4趾間に多く、次に第2.3趾間に多い。

・診断
診断には多数の疾患を除外する必要があり、
病歴、神経症状の性質などを十分に聞き出し、
臨床症状やTinel sign、検査所見との整合性
を十分に吟味する必要がある。

<足根管症候群>
・病態
足根管は内果後下方に存在し、脛骨・距骨・踵骨
の内側面と、屈筋支帯から構成される。
足根管内を脛骨神経が後脛骨動・静脈、3本の腱
とともに通過し、足根管内あるいはその近辺で内側
足底神経、外側足底神経、踵骨内側枝に分かれる。
足根管内で神経障害が起こる原因が特定できるもの
は60-90%と報告されている。

・臨床所見
症状は足底部や足趾にかけてのシビレ感と漠然とした
疼痛で、神経痛に独特の刺すような疼痛から違和感まで
さまざまである。
診察時には、足底部の感覚鈍麻、足根管部の圧痛、
足底部に放散するTinel singを認める。

・診察
問診が重要になり、占拠性病変が証明されたものは
その切除みよって解消できるものが多く、鑑別が必要。

<足底神経障害>
内側及び外側足底の障害で、障害される神経
によってシビレ、痛み、違和感を訴える。
これらの神経は足根管内で脛骨神経より分岐
線維性の隔壁を通過して足底に出るが、この部位
や足の内在筋や腱膜の貫通部で絞扼をきたしやすい
とされている。

ランナーに多くみられることが報告されている。

<前足根管症候群>
深腓骨神経の障害は比較的稀な疾患で、足関節部
では下伸筋支帯と交差する部分で生じやすい。
足背の痛み、第1趾間のシビレを訴え、靴を履き
活動すると増強しやすい。
スキー靴などきつい靴の着用、捻挫、底屈内反の
繰り返しの外力も原因となることも言われている。

浅腓骨神経の障害は比較的稀な疾患で、様々な
原因により絞扼、圧迫、伸長・切断されることで
下腿前外側や足背部に疼痛や感覚異常をきたす。
では下伸筋支帯と交差する部分で生じやすい

<伏在神経障害>
・病態
稀なもので、様々な病像を呈す。
典型的には膝より中枢で絞扼されるが、皮下を
長く走行して足部にも分布しており、下腿内側
から内果にかけての痛みを訴える。
L3.4神経根に由来し、大腿神経の皮枝である。
大腿から下腿前内側、さらには足部内側までの
感覚を司っている。
・臨床所見
下腿内側、足部内側アーチの神経痛、シビレを訴える。
神経の走向上の圧痛やTinel singがみられ、足部内側に
感覚障害を認める。